“女性はどんな腕時計が好きなのだろう?”時計好きの男性なら、結構気になるトピックではないだろうか。現実的な価格で購入でき、メンテナンスも簡単なクォーツウオッチは記念日などのプレゼントにも最適であるし、女性が少しでも腕時計に興味があると分かれば、共通の話題候補にもなるだろう。
しかし実際のところは、年々アップルウォッチをはじめとしたスマートウオッチユーザーが増えていることに加え(これは男性にも共通の傾向ではあるが)、そもそも普段は腕時計を着用しないという女性も多い。
そんな現代ではあるが、本記事では腕時計好きで、さらに機械式ウオッチを愛用する女性にフォーカス。アンティーク時計専門誌『LowBEAT』主催の販売イベント「アンティーク時計フェア in 銀座」で撮影させていただいたスナップ写真をもとに、筆者の印象に残ったステキな時計を紹介していく(※撮影場所の特性上、アンティークウオッチユーザーがほとんどであることにご留意いただきたい)。
OMEGA(オメガ)
スクエア
推定1960年代に製造されたオメガのスクエア時計。いまも展開されているドレスコレクション“デ・ヴィル”の英字表記が文字盤に入っているものもあるようだが、こちらは表記なしの個体だ。
アンティークウオッチのなかでも小さめのサイズだが、クォーツではなく手巻きモデル(クォーツ時計が生まれる前に製造された可能性が大きいためという理由もあるが)。金張りケースがエレガントな魅力を放っていてステキだった。
MOVADO(モバード)
キングマチック
アートウオッチの先駆けブランドのひとつとして知られるスイスブランド、MOVADO(モバード)のアンティークウオッチ。
着用されていたのは人気シリーズ“キングマチック”の手巻きモデルで、ユニセックスに使える30mm台のサイズ感。立体感のあるインデックスが配されたシルバー文字盤が絶妙に光を反射しており、よくお似合いだった。
ここからは、ペアウオッチ風に撮影させていただいた時計を紹介。ブランドやモデルを完全に揃えておられる方も散見され、ステキな組み合わせも多かった。ここでは特に印象に残った2組を紹介させていただこう。
ROLEX(ロレックス)
(左)サブマリーナーデイト
(右)エクスプローラー
モデルは違えど、ロレックスのスポーツモデルを着用されていたお二人。
右の男性のエクスプローラーもカッコ良かったが、特筆すべきは女性のほうがケース径の大きいモデルを着用されていたこと。サブマリーナー系には小さいサイズのバリエーションがないという事情もあるが、“サイズに関わらず自身の好きなモデルを着ける”という信念が感じられ、とても印象的だった。ステンレススチールとゴールドのコンビブレスも時計の雰囲気と非常に合っていたのも◎。
(左)
ROLEX(ロレックス)
オイスター
(右)
URBAN JURGENSEN(ウルバン ヤーゲンセン)
クロノグラフ
こちらは、なかなかのレアモデルを着用されていた女性の二人組。
左の時計はアンティークロレックス、ボーイズサイズのオイスター。イエローゴールドケースにほど良く焼けた文字盤、細いブルースチール秒針のバランスが良かった。かわいらしくフェミニンな魅力に満ちており、個人的にも好みだ。
右の時計はデンマーク王室御用達の流れを汲む時計ブランド、ウルバン ヤーゲンセンのクロノグラフ。女性でクロノグラフを愛用される方は非常に少ないため心に残ったのと、男性的な文字盤デザインに女性的なサイズ感というギャップに心引かれた1本だ。
スナップ写真をもとに“女性×機械式ウオッチ”というテーマでお届けした今回の記事、いかがだっただろうか。ユニセックスやジェンダーレスを掲げる本連載において、シェアウオッチ、ペアウオッチというテーマについてはまた次の機会にしっかりと取り上げていく予定だ。
文◎市村信太郎(編集部)/写真◎加藤峰暁
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文◎市村 信太郎(編集部)

音楽・教育業界を経て2023年より編集者としてのキャリアをスタート。時計やメイク、ファッションなどあらゆるものをジェンダーレスに楽しむ。レディース・メンズの垣根を無くしたスタイルの実現を目指すとともに、それを体現する存在になるべく奮闘中。