アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ティソ
シースターダイバー
ティソといえば、50年以上にわたってスポーツ競技のタイムキーパーとしても活躍し、過酷な環境下での使用を想定したスポーツウオッチを数多く生み出してきた。
今回取り上げるティソ シースターダイバーも例にもれず、スポーツシーンを想定して作られたティソPRシリーズのひとつだ。
ティソの公式サイトによれば、PR516の“PR”には“Particularly Robust(特に頑丈)”、そして“Precision and Resistance(精度と耐久性)”といった意味が込められており、“516”には、ティソとして5番目の防水対応のシリーズで16番目のモデルであることを意味しているそうだ(もっとも、当時“PR516”の名をもつモデルが様々なデザインで展開されていたため、単に何番目のモデルかを示すだけではなく、別の意味があった可能性はある)。
このモデルは回転ベゼルを備えており、ソリッドな質感のケースと相まって70年代のスキンダイバーらしさを感じられる。グレーに退色したゴーストベゼルも味わい深い。

【商品詳細】SS(35.5mm径)。自動巻き(Cal.784-2)。1960年代製。17万6000円。取り扱い店/Watch CTI 商品ページに移動
ムーヴメントは当時のティソに数多く搭載されていたCal.784-2。汎用の3針自動巻きだが、毎時1万8000振動のロービートながら精度もよく、さらにムーヴメントをやわらかい樹脂スペーサーと機止めネジで浮かせる耐衝撃構造を採用し、その名に恥じぬ耐久性を実現している。
そしてなにより、PR516のダイバーは“007シリーズ”でジェームズ・ボンドが着用した、いわゆる“ボンドウオッチ”のひとつとされている点は見逃せないだろう。
歴代ボンドウオッチには、オメガやロレックス、ハミルトン、セイコーなどの時計が採用されており、重要なスパイアイテムとして映画を彩ってきた。
対してティソのPR516は、劇中でクローズアップされることはなかったものの、シリーズ8作目の『007/死ぬのは奴らだ』で、ジェームズ・ボンド役のロジャー・ムーアがボートでのチェイスシーンで着用しているとされる。
今回取り上げたモデルは、映画に登場したモデルとは文字盤や針などのディテールが異なるものの、隠れたボンドウオッチとして楽しめる1本なのではないだろうか。
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文◎LowBEAT編集部