ーージュピテリウムはイタリア文化に対する貴社の敬意を感じさせるプロダクトだと感じます。そもそも貴社がこのモデルを開発するに至った経緯、またこのタイミングで改めてローンチした理由などを教えてください。
「パネライ ジュピテリウムは、歴史上最も優れた科学的頭脳のひとりであり、現代天文学の先駆者であるガリレオ・ガリレイに敬意を表しています。ガリレオの画期的な発見、特に1610年の木星の衛星観察は、人類の宇宙に対する理解を再定義しました。ガリレオと同様に、パネライは精度、革新性、限界の突破という伝統を築いてきました。そして自身の創意工夫の能力や複雑機構の技術力を試す目的で、このジュピテリウム開発に挑戦しました。この卓越した作品を再び発表したのは、複雑機構の進歩への取り組みを強調し、パネライがガリレオと同様に慣例に挑戦し続け、計時における新境地を開拓し続けていることを示すためです」
ーーツールウオッチのイメージが強い貴社が、このような超複雑な天文時計を手がけるのは意外でした。貴社のイメージ戦略において、この時計の立ち位置を教えてください。
「パネライはミッションウオッチやダイバーズウオッチで有名ですが、その専門知識は高度な複雑機構や天文学的な計時にも及んでいます。ジュピテリウムは、従来のツールウオッチを超えたハイエンドな機械式時計を製作するパネライの製造能力の表明です。精度、耐久性、機能的なデザインというブランドのスピリットを強化した結果、洗練され、想像を超える複雑な形になり、パネライのDNAが高級時計の世界にも同様に根付いていることを証明しています」
ーーこれほど複雑な機構を生み出した貴社の開発セクションについて教えてください。どのような人物が陣頭指揮して、どういう体制で開発を行っているのでしょうか?
「ヌーシャテル マニュファクチュール内のイノベーション ハブである“Laboratorio di Idee”(アイデアの工房)は、最も複雑な時計の研究開発を主導しています。このチームは、専門のエンジニア、時計職人、素材を扱う科学者で構成されており、技術的な精度と機械的芸術性の限界を突破するために従事しています。彼らが協力して研究開発することにより、ジュピテリウムを含む各イノベーションは、エンジニアリングの創意工夫においても、機能や性能の面においても、最高のものとなることが保証されています」
ーージュピテリウムが一般販売されるとのことですが、製造体制はどのようになっているのでしょうか? 年間の製造数は? また主なターゲットを教えてください。
「販売するのはウォッチズ アンド ワンダーズで展示した1点のみです。パネライ マニュファクチュールにもアーカイブとして1点展示されています。それぞれの作品はパネライの熟練時計師によって組み立てられており、天文学的な精度と機械的卓越性を確保するために時間のかかるプロセスが必要です。ターゲットとなる顧客には、コレクター、高級時計の愛好家、科学史と高級時計製造の両方に理解のある人々、つまり時計だけではなく機械芸術作品を求める人々が含まれます」
ーー今後、腕時計においても宇宙を意識したモデルや天文時計を手がける可能性は?
「可能性は無限大です! しかし、ご存じのとおり、パネライはどちらかというと銀河よりも海を探索することを好みます」