スイスの高級時計マニュファクチュールであるIWCシャフハウゼンは、2025年4月1日、ジュネーブで開催されるWatches and Wondersにてインヂュニアの新作を投入。コレクションのさらなる拡充を図った。
インヂュニアは、優れた耐磁性能を備えイギリス軍用時計として有名な“マーク11”を民間向けに改める形で1955年に登場した耐磁時計の傑作だ。
そのコレクションは今日まで受け継がれており、2023年に登場した現行モデルは、1970年代にジェラルド・ジェンタが手掛けた“インヂュニアSL(Ref.1832)”の大胆な美的コードを反映しつつ、エルゴノミクス、仕上げ、技術に関する最高水準の品質を満たしたものだ。
2025年は、そんなインヂュニアコレクションが拡充。魅力的なバリエーションが追加され、選択肢を増やした。

■Ref.IW328702。K18RG(40mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.32111)。707万6300円
今回発表された新作のなかで目を引くのは、“インヂュニア・オートマティック 40”のフルゴールド仕様だろう。
18金レッドゴールド製のケース一体型ブレスレットを特徴とする、この新しいインヂュニア・オートマティック 40には、サテン仕上げとポリッシュ仕上げを組み合わせた非常に精巧な仕上げが施されており、既存のステンレススチール仕様やチタン仕様以上の存在感を放っている。
ムーヴメントは120時間パワーリザーブを備える自社製のCal.32111を搭載し、シースルーバックを採用する。これにより軟鉄製インナーケースが省略されたが、優れた耐磁性と10気圧の防水性は健在。ケース厚もわずかに抑えられ10.4mmとなり、装着感を向上させている。
続いて注目したいのは、外装にセラミックを用いて精悍さが際立つオールブラック仕様に仕立てた“インヂュニア・オートマティック 42”である。

■Ref.IW338903。CE(42mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.82110)。296万1000円
ご存じの人も多いと思うが、セラミックは非常に硬度が高く、傷がつきにくいだけでな く、スチールよりも軽く、温度変化の影響を受けない素材だ。もっとも硬度が高いがゆえに成形が難しいが、同作では三つのパーツからなるマルチパーツ・ピュア・セラミックと呼ぶケース構造で実現。インヂュニアの特徴的なプロポーションと複雑な角度を維持しながら、構造の完全性と防水性を確保できたことは、 優れたデザインとエンジニアリングの成果と言える。
搭載する自動巻きCal.82110は、両方向のローターの動きを効率的に主ゼンマイの エネルギーに変換し、60時間のパワーリザーブを実現。非常に大きな負荷のかかる巻き上げ機構のパーツは、 実質的に摩耗のない酸化ジルコニウム・セラミック製、自動巻きホイールと歯車止めはブラック・セラ ミック製、ローターのベアリングはホワイト・セラミック製となっており、優れた耐久性を両立させている。
さらに今年はサイズのバリエーションも追加され、小振りな35mm径のモデルも登場している。

■Ref.IW324906。SS(35.1mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.47110)。155万4300円
既存の40mmモデルから直径が5mmもサイズダウンしているが、インヂュニアのすべてのパーツと特徴となる部分をケースのサイズに忠実に合わせ、プロポーションが整えられた。40mmバージョンと同様に、細部までこだわった仕上げが印象的で、サテン仕上げとポリッシュ仕上げの表面を組み合わせていることで、質感が高まり、光を美しく反射。五つの機能的なネジでケースリングに固定され たベゼルはサテン仕上げで、その外側のエッジがポリッシュ仕上げになっている。ブレスレットのH型リンクもエッジがポリッシュ仕上げのサテン仕上げで、中央のリンクとケースバックには全体的にポリッシュ仕上げが施されている。
搭載するのは小型の自動巻きCal.47110。パワーリザーブは約42時間とCal.32111に劣るものの、ペルラージュ装飾とコート・ド・ ジュネーブ装飾で美しく仕上げられており、その動きをシースルバックから堪能できる。このブラック文字盤のほか、シルバーメッキ文字盤仕様、そして18金レッドゴールドモデルの全3種がラインナップする。
【問い合わせ先】
IWC
TEL.0120-05-1868
文◎Watch LIFE NEWS編集部