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【グランドセイコーの注目作ほか】新時代の到来を予感させる“小ぶり時計” |性別の垣根を超える腕時計 No.001

近年の腕時計業界のトレンドのひとつである“小型化”。長らくケース径40mmオーバーが主流だったが、最近は38mm前後のモデルも増えてきている。確かな小振りブームを感じる昨今、さらなる新傾向として注目したいのがメンズ・レディースの区分のない、いわゆる“ユニセックスモデル”の増加だ。

ユニセックスモデルの正確な定義は難しいが、一般的な特徴としてはメーカーがメンズ/レディースと明確に定義しておらず、ケース径が30〜37mm程度で、性別を選ばないデザイン(※ここは非常に主観的な観点ではあるが)といったところだろう。ロレックスのいわゆるボーイズモデルもこの基準に該当する。

この記事では、水面下で広がりを見せつつあるユニセックスモデルにフォーカス。国内外ブランドの三つの注目作から、性別の垣根を超える腕時計の魅力を紐解いていく。

【画像】小ぶりケースが魅力!国内外ブランドの注目モデル3選


【性別の垣根を超える腕時計①】

GRAND SEIKO(グランドセイコー)
ヘリテージコレクション 62GS メカニカル 30mm

■Ref.STGK033。SS(30mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.9S27)。88万円(※2025年4月25日発売予定)

1967年に誕生したグランドセイコー初の自動巻きモデル“62GS”を継承した普遍的なデザインだが、注目すべきは“30mm”というケース径。そしてこのモデルを同ブランドがレディースと位置付けていない点だ。

クォーツウオッチがシェアのほとんどを占める30mmというミニサイズながら、ムーヴメントには小型自動巻きキャリバー“9S27”を搭載。厚さ10.5mmと、現行では最も薄いグランドセイコーの機械式モデルとしても注目を集めている。

【画像】表情豊かな文字盤&本格的なディテールを隅々までチェック

 

【問い合わせ先】
セイコーウオッチ お客様相談室(グランドセイコー)
TEL.0120-302-617


この静かな潮流は日本だけのものではない。先日3月13日より、スイスを代表するカジュアルウオッチ・スウォッチも全4色展開のユニセックスモデルの発売を開始した。

【性別の垣根を超える腕時計②】

SWATCH(スウォッチ)
ブロッサム タイム

■(左)GERBERA(ガーベラ)。Ref.YLS236G/(右)MAGNOLIA(マグノリア)。Ref.YLS237G。ともにSS(33mm径)。3気圧防水。クォーツ。各2万2550円

春の訪れを祝う新作“ブロッサム タイム”コレクションのケース径は33mm。大きめのレディースモデルとも捉えられるサイズ感とデザインだが、リリースビジュアルに女性と男性を起用し、ユニセックスに楽しめる腕時計として打ち出されている。

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↑ブレスレット仕様とラバーベルト仕様の違いはあれど、女性と男性が同じカラーのモデル(クロッカス/Ref.YLS235)を着用。シェアウオッチやペアウオッチとしても存分に楽しめる

 

【問い合わせ先】
スウォッチ グループ ジャパン
TEL.0570-004-007


国内外のメジャーブランドのほか、愛好家も注目するスイス独立系ブランドの動向も見逃せない。

【性別の垣根を超える腕時計③】

RAYMOND WEIL(レイモンド ウェイル)
ミレジム ムーンフェイズ

■( 左)Ref.2145-PC5-05650。39万6000円/( 右)Ref.2145-SCS-05511。42万9000円。ともにSS(35mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.RW4280)/写真◎水橋崇行

“時計界のアカデミー賞”とも称されるジュネーブ ウォッチメイキング グランプリ(GPHG)受賞作として注目を集める“ミレジム”のムーンフェイズモデル。

35mm径の小振りサイズもさることながら、デニムブルーモデル(写真右)のラグ部分には、16個のラボグロウンダイヤモンド(0.24カラット)を配置。通例、こういった装飾はレディースモデルによく見られるのだが、この時計もレディースとして展開されてはいない。

【画像】控えめかつエレガントに輝くラグ部分のダイヤモンド

“ネオ・ヴィンテージ”をテーマにした意匠はクラシカルな雰囲気に満ちており、同時に性別に捉われない魅力も併せもつ/写真◎水橋崇行

35mm径というサイズについては、一般的な男性であればラグ部分を含めて余裕をもって手首に治まる大きさであるが、決して小さすぎるとは感じないだろう(半世紀ほど前まではこのくらいが一般的なメンズウオッチの標準サイズであり、このサイズ感を好むアンティークウオッチ愛好家も多い)。

 

【問い合わせ先】
ジーエムインターナショナル
TEL.03-5828-9080


38mm径でもやや小振りといわれる現代の腕時計において、30mm台前半〜中盤はまだまだ男性が着けるには小さすぎるという声も多い。それでも今後のトレンドになっていく可能性は存分に秘められているし、その先にレディース/メンズの枠組みに捉われないもっと自由なスタイルが楽しめる時代が見えてくるだろう。

 

文◎市村 信太郎(編集部)

音楽・教育業界を経て2023年より編集者としてのキャリアをスタート。時計やメイク、ファッションなどあらゆるものをジェンダーレスに楽しむ。レディース・メンズの垣根を無くしたスタイルの実現を目指すとともに、それを体現する存在になるべく奮闘中。

 

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