時計の文字盤にあるインデックス(時字やアワーマーカーとも呼ぶ)には、1から12までのアラビア数字に加えて、ローマ数字やドット、そして棒状のバーなど代表的なものがいくつかあり、現在時間を表すだけでなく、腕時計の個性を引き立てるデザイン的な要素としてもとても重要な意味をもつ。
そんな数多くあるインデックスの中から今回は“くさび(楔)形インデックス”と呼ばれるものを採用したオリエント、アウトライン、そしてクオの3種の腕時計を紹介する。
“楔”は木材や金属で作られたV字形あるいは三角形をした道具である。つまり、くさび形インデックスについて大雑把に言うと先端に向かって徐々に尖っていく形状にデザインされたものについてこう呼ぶ。その中で形が三角形のタイプはトライアングルとも呼ばれる。
このくさび形は1940年代から50年代前半にとてもよく使われていて、時分針は必ず鋭く尖ったアロー型かドーフィン型がセットされる。そのため古典的なイメージが強く打ち出すには最も効果的だ。
このくさび形に加えて今回は、これから暖かくなるにつれてYシャツ1枚でも過ごせるようになってくるため、春らしい白シャツにさらっと合わせても大人っぽくオシャレに決まる、そんな白文字盤にゴールドを使った小振りなモデルを、予算10万円アンダーの機械式モデルでチョィスしてみた。
オリエント(ORIENT)|バンビーノ
“バンビーノ”はクラシカルなデザインとレトロな雰囲気を兼ね備え、世界中でロングセラーを続けるオリエントの代表的なモデルだ。そして今回取り上げたのはその中でもオリエント公式オンラインストアでの限定モデルとなる。
特徴的なボックスガラスと細身のラグが、繊細かつクラシカルな印象を強調。38.4mmのコンパクトなケースに、長めのくさび形インデックスにドーフィン型時分針を組み合わせることでレトロかつ大人っぽい雰囲気に仕上げられている。ムーヴメントは、時刻表示に加えて日付け表示を装備した自社製の自動巻きキャリバーF6724を搭載する。
■Ref. RN-AC0M01S。SS(38.4mm径)。3気圧防水。自動巻き(Cal.F6724)。4万5100円
オリエント公式オンラインストア https://store.orient-watch.com/
アウトライン(OUTLINE)|369スペシャル・ハニカムホワイト
369スペシャルのハニカムホワイトは、ロレックス・オイスターパーペチュアルの1950年代に採用されたハニカム装飾を再現。アプライド(立体)化したアラビア数字とくさび形を組み合わせた古典的なインデックスに鋭いドーフィン型時分針、そしてこれらと同じ艶消しのゴールドカラーを施すことでアンティークウオッチの雰囲気をより強めている。
自動巻きムーヴメントは日本のミヨタ製で最も薄く、かつ毎時2万8800振動の高性能さを誇るキャリバー9039を搭載。それによってミドルケースを薄くして、裏ブタは50年代初期のロレックスに見られた少し膨らんだ造形の通称セミバブルバック風(リンク画像参照)に仕上げるなど、ケースの造形についてもかなり年代を意識した作りになっている点も見逃せない。ほかにハニカムブラックもあり。
■Ref.YK20233-2WH-HC。SS(36mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.MIYOTA 9039)。6万8200円
アウトライン公式サイト https://outlinewatches.tokyo/
クオ(KUOE)|ロイヤルスミス90-006
デザインを一新したロイヤルスミス90-006。最大の特徴は“ワッフル文字盤(ハニカムとも)”が採用された点。これは50年代の時計に見られたスクエアパターンの文字盤装飾で、上品さを保ちつつも遊び心のある雰囲気を演出できる点が魅力だ。針やインデックスの形状もクラシカルなものでまとめ、当時のドレスウオッチの雰囲気を見事に再現している。
ケースは35mm径と小振りながら、ドーム形風防を採用したフォルムで、適度に存在感を主張。わずかに緑がかった古典的な色合いのベルトとの組み合わせもいい感じだ。このアイボリー文字盤のほか、ブラック文字盤仕様、さらにそれぞれゴールドカラーケース仕様の計4種がラインナップ。
■SS(35mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.MIYOTA 9039)。8万1600円
クオ公式サイトhttps://www.kuoe-jp.com
文◎Watch LIFE NEWS編集部
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