国産時計シチズンの上位機種【本音で実機レビュー】実用性は申し分なし!? “ザ・シチズン”のチタンモデルの実力

2025年3月20日

日本を代表する時計メーカーの一角であるCITIZEN（シチズン）。同メーカーの数あるブランドのなかでも、“ザ・シチズン”は実用性と高級感をハイレベルに融合させた基幹ラインで、高い技術力をアピールするような贅を凝らしたモデルが目立つ。

今回紹介する“AQ4100-57L”は、シチズンが長年こだわって素材として使ってきたチタンケースのモデルで、シンプルな佇まいだが実力の高さを感じさせる仕上がりになっている。

The CITIZEN（ザ・シチズン）／Ref.AQ4100-57L

■Ref.AQ4100-57L。スーパーチタニウム（38.3mm径、12.2mm厚、デュラテクトプラチナ加工）。10気圧防水。光発電エコ・ドライブ（Cal.A060）。38万5000円

シチズンでは1970年代当初からチタン素材の研究を続けてきており、いまではスーパーチタニウムという独自の技術を確立。これはチタンに表面硬化技術（デュラテクト）を施すことで、ステンレスの5倍以上の表面硬度を実現し、同時にチタン独特のしっとりとした美しさを引き立てるというものだ。

さらにチタンのプレスや切削、研磨においても高い技術を誇っており、シチズンは世界の時計ブランドでもチタン素材への取り組みにおいて最も優れたブランドのひとつだ。

今回取り上げた“AQ6100-57L”の外装を見ても、加工技術の高さは十分伝わってくる。チタン素材はどちらかというと光沢の少ない素材なのだが、このモデルは全体にシャイニーな輝きを放っており、研磨技術が相当にハイレベルなことが感じられる。

ブレスレットの中コマの光沢は出色で、このキラキラした輝きはかなりプレミアム感がある。デザインがシンプルなモデルだけに、全体を輝かせる方向でまとめた仕上げは、存在感アップの意味でもかなり効果的だと感じる。

【画像】チタンとは思えない光沢感！ブレスレットの拡大カット

文字盤上はバーインデックスとドーフィン針の3針仕様で、文字盤表面にはそのほかにロゴとデイト表示。かなり抑制されたデザインで落ち着きを感じさせる。渋みがあって色合いとしては悪くないのだが、個人的には文字盤の濃紺はもう少し深みがあったほうが、ケースの光沢を引き立たせるのではないかとも思う。

ラグ部分のフォルムなどはクラシカルな味わいがあり、長期間使っても傷がつきにくいスーパーチタニウムは、こういったベーシックなデザインの時計だと大きな意味をもつだろう。風防ガラスには光の約99％を透過させることで反射を抑えるクラリティ・コーティング加工が施されており、視認性を高めている点も実用時計として頼もしい。