東京だけでなく、福島、滋賀、神奈川など、各地で時計ブランドが創設されている日本の時計界。そんな国産インディペンデントブランドのなかでも、ひと際、注目を集めているのが、2020年に京都で誕生した時計ブランド、“KUOE(クオ)”だ。
一般ユーザーにはなかなか敷居が高い印象のあるアンティークウオッチを手軽に楽しめるようにと、アンティークウオッチ好きの創設者が立ち上げたブランドであり、手の届く価格帯で日本製のクラシックウオッチを展開。海外の時計インフルエンサーによってその魅力が拡散されたことをきっかけに、いまや国内のみならず海外の時計ファンからも多くの注目を集めるブランドとなった。
今回クローズアップしたのは、そんなクオの新規軸と言える初のダイバーズウオッチコレクションだ。本記事に加えて、実機レビュー動画でもその魅力を深掘りしてみた。
【画像】本格ダイバーズウオッチ、“ソンブレロ”を別アングルで見る
KUOE(クオ)
ソンブレロ 90-011(ブラック文字盤)
宇宙で最も美しいといわれる“SOMBRERO GALAXY(ソンブレロ銀河)”から名付けられた本作は、20気圧の防水性能を備え、ケースはユニークなフォルムを採用しつつも堅牢に設計されている。文字盤には豊富なカラーバリエーションを揃え、いずれもアンティーク感の高い落ち着いたトーンとリネンテクスチャーを施すことによって渋い雰囲気を醸し出す。
【SPEC】
■素材:ステンレススチールケース&ブレス
■ケース径:38mm、ラグの上下幅約45.5mm、厚さ約12.45mm、ベルト幅18mm
■防水性能:20気圧防水
■駆動方式:自動巻き(MIYOTA Cal.9039)
・毎時2万8800振動
・耐磁機能(20,000A/m)/2種耐磁時計に相当
・日差:-10~+30 秒/日
・駆動時間:40 時間(最大巻上時)
■価格:11万3000円
【ウオッチライフニュース公式youtube:実機レビュー動画】
【注目ポイント1】ヴィンテージ感を醸すリネンテクスチャー文字盤
ソンブレロは、今回レビューした“ブラック”のほか“グリーン”、“アイボリー”、“サーモンピンク”、“グラデーション”の全5色展開。いずれも往年のアンティークウオッチで見られた“リネン(絹目)文字盤”と呼ばれる、縦方向と横方向に筋の入った独特な加工が施されており、微妙な表面の凹凸が陰影を生み出す。文字盤にさりげないニュアンスが加えられるため、ダイバーズウオッチの魅力である無骨さを残しつつも、ドレッシーで上品な雰囲気を感じさせる。
クオならではの魅力と言えるのが、ヴィンテージ感とモダンな雰囲気のバランス感の良さだろう。リネン(絹目)文字盤、経年変化したアンティークウオッチを想起させるオールドラジウムカラーの夜光でヴィンテージの雰囲気を表現しつつ、アプライドインデックスを採用することで現代的な高級感をプラス。ソード針、インデックスの表面をヘアラインにしているのも、現代的でスポーティな雰囲気を際立たせている。