【ケースの厚みは0.2mm増したが総重量は軽減】
既存のRef.210.30.42.20.01.001に比べてケースの厚みは0.2mm増したが、総重量は154gと表記上は40g軽くなった。腕に乗せた際に感じる重厚感も健在だが、今回採用されたメッシュブレスレットはその滑らかな動きから装着感を高めた印象だ。
また、Ref.210.30.42.20.01.001に使用された3連ブレスレットに比べると、Ref.210.30.42.20.01.010のメッシュブレスレットは重量が軽くなった。そのため、よりケースの重さが際立つバランスになった気もする。腕に時計が“乗っている”という感覚が好みであれば、今回レビューしたRef.2210.30.42.20.01.010のほうが満足度が高いに違いない。
私が思う時計の楽しみ方のひとつが、ベルトでの時計のアレンジ。形状や素材、色などによって文字盤の表情がガラッと変わる。おそらく様々なカスタマイズをすることで自分に合った1本を探すのも、前述した“育てていく時計”の要素になるかもしれない。
どんな色とも合わせられる白黒のツートンカラーになったことで、ベルトの選択肢が広がった。手元に届いた時が完成品ではないと捉えると、ロマンが広がる。
【快適な装着感と心地よい重さ】
ダイバーズウオッチは防水性能を高めるためにケースサイズが大きくなり、厚みが増す傾向がある。シンプルな3針モデルに比べるとケースの重さがより際立つのが事実だ。
しかし、軽快な着け心地を重視する人がいる一方で、ケースが腕に乗っている感覚を得たいという方もいるだろう。私もその一人である。
そして、本作がメッシュブレスを装備したことは、私にとっては好印象な点のひとつとなった。ケースに合わせて厚めのブレスレットを採用してバランスを取ることも多いが、ブレスレット自体に重さがあるとケース自体の重さを感じにくくなる。装着感を高めつつ、金無垢時計のような“腕に巻き付いている重さ”を感じたい方にとっては、こちらの方が好みだと思う。
【“黒”の質感の違いを楽しめる】
同じ“黒”と言ってもブラックセラミックとブラックアルミニウムでは全く異なる。光沢があるポリッシュ仕上げがされているセラミックに対して、アルミニウムはより肌に馴染む黒だ。
他ブランドの展開をみても、昨今はカラーダイヤルやメテオライト、貴石といった珍しい素材を駆使した“美しい色”のモデルをラインナップで展開することが多い中、このタイミングでマットなブラックアルミニウムだったのが良い。またレーザーエングレービングが個性的だった文字盤も波形が小さくなり、より奥に佇む漣を思わせる雰囲気となった。
【総評】
高い防水性と堅牢性を兼ね備え、オメガの中でも屈指の人気と知名度を誇る“シーマスター ダイバー300M”。ステンレススチールやゴールドのモデルもあれば、軽量化を図ったチタンモデル、さらにセラミックモデルなど、力強いシルエットとアイコニックな文字盤デザインを生かしつつ、多彩な素材でラインナップを充実してきた。
そんな中、登場したRef. 210.30.42.20.01.010は、現代における最高水準の機能と品質を備えつつ、ある意味で初心に帰った1本だと私は捉えている。従来のモデルに加えてウェーブ(波状)装飾が細かく仕上げられたアルミニウムダイアルと、同じくアルミニウム製のベゼルリングは、1993年に登場した初期のシーマスター ダイバー300M を彷彿とさせる。
バリエーションはいくつかあるが、このブラックアルミニウムが表現する“黒”は、シーマスターの新たな定番として、時計ファンに長く愛されることだろう。シンプルな配色は実はとても奥深い。素材や表記が同じでも、デザインによって見え方が大きく異なるからだ。
シーマスター ダイバー300Mのニュースタンダードが、オーナーのもとでどのようなストーリーを刻むのだろうか。様々な時計を楽しんだ時計ファンが日常使いの1本として選ぶこともあれば、自分のモチベーションを高めるために、20〜30代の社会人が初めて買う1本にもなるはずだ。
私だったら、今後苦楽を共にして、数年後に変わらずに身に着けていたい。思い出の引き出しとなるように、きっとオーバーホールの際も、あえて研磨をせずに使い続けるだろう。10年、20年と時間を経て、本作がどんな表情をしているのか。想像するだけですごく楽しみだ。
【画像】オメガ“シーマスター ダイバー300M”、バリエーションを見る
【問い合わせ】
オメガ
TEL.0570-000087
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構成◎船平卓馬(編集部)/文◎江間 丈/写真◎水橋崇之