OAN.GIO_Fire-Dusk

小スライド 日本未上陸ブランド

伝統工芸を取り入れた本格機械式時計【漆芸術“ソンマイ”ほか】ベトナムの日本未上陸ブランド、“Oan.Gio (オアン・ジオ)”に注目

Oan.Gio(オアン・ジオ)は、ギエ・グエン・ダイによって設立されたベトナムの独立系マイクロウオッチブランドだ。 ブランド名は創業者ギエにとって深い意味を持つ。“Oan”は“One”の音韻表現で、ギエの妻・オアンの名前にも由来している。“Gio”はベトナム語で“時間”を意味し、フランス生まれのベトナム人であるギエの、越仏双方の文化に根ざした伝統とアイデンティティがブランド名で融合しているわけだ。

Founder
ギエはオアン・ジオを立ち上げる前に、フランスの有名時計ブランドで 6年以上にわたって生産と技術革新のマネージメントに携わっている。キャリアを重ねるなかで岐路に立たされたギエは、妻のアドバイスを受けて「本当に自分自身のものを創り上げる」という彼の長年の夢を思い出し、自身のブランドを立ち上げた。

オアン・ジオの立ち上げに際して、ギアは長年にわたって親交を深めてきた時計職人たちの幅広いネットワークと、ロレックスでプロダクトデザイナー兼3Dアーティストとしてロレックスで働いていた兄弟の協力を得たそうだ。

Oan.Gio_sơn mài

オアン・ジオは小さな工房に息づく、職人たちの卓越したクラフトマンシップと情熱に敬意を表しており、拠点としているベトナムで発展した漆(うるし)芸術や彫金技法を取り入れて、ユニークなコレクションを展開している。

今回は越仏が融合した、オアン・ジオのコレクションから二つのモデルを紹介する。

 

【画像】伝統工芸が美しい“オアン・ジオ”、二つの時計を見比べる


Celestial-Sea

Oan.Gio(オアン・ジオ)
セレスティアル・シー

最初に紹介する、セレスティアル・シー、日本やベトナムなど、アジア諸国で採取される天然素材、漆(うるし)を文字盤に採用したモデル。漆(うるし)の樹液には樹脂が含まれており、湿気や空気にさらされることで重合し、非常に硬く耐久性のある物質に変化する。ベトナムでは1930年代に“sơn mài(ソンマイ)”と呼ばれる漆(うるし)芸術が誕生し、独自の発展を遂げた。

本作の文字盤は平均して15層で構成され、理想とする品質を実現するまでに18カ月の開発期間を要したそうだ。深海生物に見られる魅惑的な色合いからデザインインスピレーションを得ており、漆(うるし)の層と卵殻の象嵌細工、彫刻、金箔や銀箔などを組み合わせることで、虹色の色彩が鮮やかに移り変わり煌めきを放つ。

Celestial-Sea_case

ケースサイズは40mm、厚さ10.7mm。サファイヤクリスタル風防を装備し、5気圧防水を備える。ETA社のユニタス6498-2を搭載。ベトナムの若手職人が創設したベルトブランド、LEACUS(リーカス)のレザーベルト(イタリアのプエブロレザーを使用したハンドメイド)が付属する。

初回ロット 5本で2025年2月現在、完売となっているが、25年3月に2ロット目の販売が予定されている。 セレスティアル・シーの販売価格は1890米ドル(約29万円)となっている。

 

【画像】“セレスティアル・シー”、漆(うるし)文字盤を別アングルで見る


Fire-Dusk

Oan.Gio(オアン・ジオ)
ファイアー・ダスク

同じく漆(うるし)工芸を文字盤に採用したのがファイアー・ダスク。夕暮れの燃えるように鮮やかなオレンジ色からインスピレーションを得た文字盤が特徴だ。

基本仕様はセレスティアル・シーと同じで、直径40mm、厚さ10.7mmのステンレススチールケースを採用。サファイヤクリスタル風防を装備し、5気圧防水を備える。ETA社のユニタス6498-2を搭載。LEACUS(リーカス)のレザーベルト(イタリアのプエブロレザーを使用したハンドメイド)が付属し、販売価格は945米ドル(約14万3463円)。初回ロットの10本は、残念ながら現在売り切れとなっている。

 

【画像】“ファイアー・ダスク”の漆(うるし)文字盤を別アングルで見る

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