アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
セイコー
ワールドタイム
2024年に行われたパリオリンピックもそうだが、近年オリンピックの公式タイムキーパーと言えばオメガがおなじみだ。
しかし過去にはオメガ以外のメーカーが公式計時を務めたことがあり、1964年に東京で行われたオリンピックでは、日本のセイコーがタイムキーパーを務めた。
当時セイコーは同大会の開催に際して、自社の技術力を世界にアピールすべく、手巻きクロノグラフモデル“クラウン クロノグラフ”や、その上位機種とも言える“カウンタークロノグラフ”、そしてワールドタイム機能を備えた“ワールドタイム”といった国産初となるモデルを立て続けに発表している。
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【商品詳細】SS(37.5mm径)。自動巻き(Cal.6217A)。1964年頃製。36万3000円。取り扱い店/Watch CTI 商品ページに移動
【画像:カラバリも展開。聖火マーク入りのほかワールドタイムを別のアングルで見る】
今回取り上げるのは、そのひとつで1964年発表の“ワールドタイム”である。
これは、62年発売のセイコーマチック シルバーウェーブで採用していた回転式インナーベゼルに世界26都市名を印刷。24時間針を加えた自動巻きムーヴメントを搭載することで、各地の時刻を表示する国産自動巻き時計で初となるワールドタイムモデルだ。ちなみに本作は当時、“国際人の腕時計”というキャッチコピーが付けられ、67年まで販売されていた。
なお裏ブタには聖火マーク(もしくはイルカマーク)が入っているが、なかには東京五輪マークが入ったモデルも確認されている。前者が市販品、後者はおそらくは大会関係者向けに製造されたものだと考えられている。
文◎LowBEAT編集部