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【2017年まで僅か3年】短命に終わったシードゥエラー4000は買いなのか?|菊地吉正の【ロレックス通信 No.290】

(右)シードゥエラー4000 (左)シードゥエラー ディープシー

現在ロレックスには、ダイバーズウオッチとしてサブマリーナーデイト(300m防水)。その上位機種としてさらに高い防水性能を誇る1220m防水のシードゥエラーと3900m防水のディープシーの3種類がラインナップする。

実のところこのシードゥエラーとディープシーについては、12年ほど前に迷走した時期があった。時計バブルだった2000年代前半、それまでは高性能ダイバーズの象徴だったシードゥエラーだったが、それを超える防水能力を有したダイバーズウオッチが他社から続々と登場するようになったのだ。

そして2008年、ロレックスは技術力の高さを誇示するかのように3900mという他を圧倒する防水能力を備えたシードゥエラー・ディープシー(現在名はロレックス ディープシー)をリリースする。それに伴ってシードゥエラーは07年で生産終了となり、当然ながらディープシーがその後継と思われた。

それがどういうわけかロレックスは2014年にシードゥエラーを再び復活させたのである。つまりこれが今回注目したシードゥエラー4000、Ref.116600だ。ただなぜ7年も経ってリバイバルされたのかはわからないが、当時の公式資料を見てもベゼルがセラミックになったぐらいで、そのほかは目立った新しい技術などは見当たらなかった。そのためどちらかというと急遽販売されたように感じたほどだ。

しかもこのシードゥエラー4000はわずか3年で生産を終了する。シードゥエラー誕生50年を迎えた17年にフルモデルチェンジによって現行のRef.126600が登場したからだ。

そんな不思議な存在だったシードゥエラー4000、現在の中古実勢価格の中心は200〜220万円台。対して現行のRef.126600は新品が210〜220万円台で中古は200万円前後といったところ。

現行はケースの作りやムーヴメントも最新だといことを考えると、希少性からプレ値の4000よりもかなり実勢価格的には割安。ただ43mm径とだいぶ大きく分厚くなったため、40mm径でラグも細く着けやすい4000は、長いスパンで考えると選択肢としてはありなのではないか。

なお、もしシードゥエラー4000を狙うのであれば、コンディションに加えてバックルプレート部分の仕上げが鏡面と梨地のどちらなのか確認を。鏡面だと希少性がさらに高まって相場が上がるためだ。

【画像】シードウェラーの新旧を写真で比較!

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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