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品質、優れた機構、価格と高機能ドレス系狙いならいまムーンフェイズが買い得!?|菊地吉正の【ロレックス通信 No.289】

今回は、先日久しぶりに見たチェリーニコレクションのムーンフェイズ、Ref.50535を取り上げる。ロレックスのドレス系ラインとして販売されていたが2022年で生産終了となったモデルだ。

このチェリーニ ムーンフェイズ、なかなかのスグレモノで、ロレックスの高い技術力をさりげなく誇示している。何がスゴイのかというと6時位置に設けられたムーンフェイズ機構だ。

ちなみにムーンフェイズ機構とは月の満ち欠けを視覚的に表現したいわゆる月齢表示のこと。ロレックスの特徴的なのは、その仕組みだ。一般的なムーンフェイズ機構の場合は新月→満月→新月までの朔望月(さくぼうげつ)は平均すると29.53日かかる。

時計の場合はこれを29.5日として、その倍数の59日を59の歯の付いた歯車で表現している。つまり一般的なムーンフェイズ機構は1回転で月の周期でいうと2朔望月分、そのためムーンディスクには満月を示す月が二つ描かれているというわけだ。

それに対してロレックスは満月と新月の両方が描かれており(2ページ目に詳細写真掲載)、1回転で月の満ち欠けを完了している。しかも、122年間調整不要というから恐ろしい。

またムーンディスクはブルーのエナメルで作られており、さらに満月は何とメテオライト。本物の隕石が使われ、シルバーリングで新月を表すなどかなり凝った作りという点も大きな魅力である。

ケース径は39mmで厚さは約13mmある。ムーンフェイズのモジュールのせいなのだろう、ドレスウオッチとしてはちょっと厚く感じるのは否めないが、全体的にデザインもモダンなためバランスとしては悪くないのではないか。

22年の生産終了時の定価は318万100円。対して現在のコンディションの良い中古が380万円前後で流通する。スポーツ系に比べると需要が低いことを考えると高いようにも感じるが、為替の影響もあってドレスウオッチを専門とする老舗高級ブランドの高機能モデルの定価がここ3年ぐらいで驚くほど上昇していることを考えると、かなりお買い得と言えそうだ。

もしドレス系モデルを狙っているのであれば、選択肢のひとつとして加えてみてはいかがだろうか。

【チェリーニ ムーンフェイズ】
Ref.50535。K18エバーローズゴールド(39mm径)。50mm防水。自動巻き(Cal.3195、毎時28,800振動、約48時間パワーリザーブ)

【画像】ムーンフェイズの写真をもっと見る!

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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