【一生もののメイドインジャパン、でも2本目が欲しくなる】
2025年1月10日、今回レビューしたSBGH347のサイズ違い、素材違いで新作のSBGH349が発売された。素材はエバーブリリアントスチールではなくブライトチタンが採用され、ケースサイズも37mmから40mmと大きくなった。サイズが大きくなり視認性が向上したこと、ブライトチタンによって38g軽くなった点に対するニーズも大きいだろう。
ただ、私はあえて37mmを選びたい。理由は“装着感”と“色”だ。
SBGH347の魅力のひとつは、小さなシルエットでもブレない“存在感”だと思う。エバーブリリアントスチールの心地よい重さは満足度が高い。色に関しては、ブライトチタンに比べるとエバーブリリアントスチールは白身が強い印象だ。文字盤カラーを最大限美しく見せてくれる明るいトーンに気持ちが引き付けられた。
ブレスレットは幅が19mmのストレートな形状というオーソドックスな仕様だが、少し気になったのが厚さだ。ケースの厚さを加味し、最もバランスが良い設計にした可能性はあるが、“密着感”を求める私にとって、ケースとブレスレットの結合部分の“浮き”が気になった。コマ調整である程度フィット感は向上できるが、腕と一体化している感覚というよりは固定をしている感覚は否めない。腕の側面までをも包み込む密着感が好みな愛好家にとっては少し気になる点になりそうだ。
【総評:ヘリテージコレクション SBGH347】
SBGH347の価格は94万6000円。ロレックスではオイスターパーペチュアルなどの時計と同価格帯で、品位をもちつつ“高すぎない”時計の最高峰として、年齢や役職を問わず、非常に使用頻度が高いモデルといえるだろう。
取引先や会社の上司が時計好きなら、これみよがしに典型的な高級時計が着けづらい状況はある。そうした状況で20代から30代のビジネスパーソンが着けられて、一生ものとしても使える1本としてお勧めしたい。雰囲気を変えたければクロコダイル製のオプションベルトを合わせるのも素敵だろう。きっと黒のクロコダイルによって、引き締まった時計の優美さが、力強いかっこよさに変わるはずだ。
時計に求める役割はそれぞれ異なる。フリーアナウンサーの仕事においては放送時間に追われ、仕事中も頻繁に時間を確認する。時には時間指定のある生放送や中継、インタビューなどがありクロノグラフ機能を使うこともあるが、今の私は自分のモチベーションを上げるアイテムのひとつとしての役割が大きい。
どのようなファッションで時計を着けようか、一緒に過ごす時計はどれにしようか、時計に見合う人間になりたい、こう思うわけだ。
今回インプレッションしたSBGH347は筆者にとって休日の海で着けたい1本。氷瀑が見られる厳冬の山海はもちろん、サマーウォッチとしても活躍するはず。少し気が早いかもしれないが、自分ならまずはシンプルに白いカットソーにハーフパンツという姿に合わせてみたい。本作が、オーナーとなった方々の腕でどんな“初めての夏”を迎えるのか楽しみだ。
【問い合わせ先】
セイコーウオッチお客様相談室(グランドセイコー)
TEL.0120-302-617(通話料無料)
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江間 丈 - TAKURU EMA(アナウンサー)
構成◎船平卓馬(編集部)/写真◎水橋崇之