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【“タキテレ”ってご存じ?】軍事目的で考案された1940〜50年代当時のクロノグラフ時計にある計測スケールとは?

業界唯一のアンティーク時計の専門誌「ロービート(LowBEAT)」編集部が毎週水曜日にお届けしているアンティーク時計初心者向けの入門記事。今回は「タキテレ」について取り上げる。

タキテレとは、クロノグラフ時計に装備されている計測スケールでタキメーターとテレメーターの両方を文字盤上に タキテレとは、クロノグラフ時計に装備されている計測スケールでタキメーターとテレメーターの両方を文字盤上に設けた個体をこう呼ぶ。

上の写真をご覧いただきたい。最も外側にある60から1000までの目盛りが青色で印字されているものがタキメーターで、その内側に1から12までの目盛りが赤で印字されているのがテレメーターである。

タキメーターについては以前に「【この奇妙な渦巻きラインはなんだ?】思わず納得する時代がわかるその意外な活用法とは!」と題して取り上げているためここでは簡単におさらいすると、これは1km移動するのに要した時間を計測し、その区間の平均時速を割り出すためのものだ。

対してテレメーターはこのタキメーター以上に当時よく使われていたと言われる。これは光と音の時間差から距離を割り出すための計測スケール。例えば光ったタイミングでクロノグラフのストップウオッチ機能を作動させて、音が聴こえたタイミングで止める。その際にクロノグラフ秒針が指し示す数字でどの程度離れているかおよその距離を把握できるというものだ。なお写真の個体はマイル表示だが単位をkm表示のタイプもある。

本来は軍事的な用途のために考案されたもので、砲撃した際に着弾地点から大体の距離を割り出すのに使われた 本来は軍事的な用途のために考案されたもので、砲撃した際に着弾地点から大体の距離を割り出すのに使われた。

文◎LowBEAT編集部
時計◎ギャレット クロノグラフ 手巻き(エクセルシオパーク4) 1960年代 48万円 |Curious Curio(キュリオスキュリオ)

【画像】タキテレ仕様のアンティーククロノグラフをもっとチェック!

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