トレダノ＆チャン（Todedano & Chan）は、コンセプチュアル・アーティストで時計コレクターのフィル・トレダノと、自動車デザインから時計デザイナーへ転身したアルフレッド・チャンによって創設された独立系マイクロウォオッチブランドである。
ニューヨーク出身のフィリップは7冊の写真集を出版、香港出身のアルフレッドは10年以上にわたって、数多のブランドやデザイン事務所で働いてきた経歴をもっている。ブルータリズム建築と1970年代の時計を通じた同好の士として、インスタグラムで2人は知り合った。
フィリップとアルフレッドは美しくて珍しい腕時計を共に作りたいとアイデアを交換し始めて、ロレックス、ミダス、70年代初期の一体型時計やブルータリズム建築から起草させる、ブレスレットと時計のヘッドが一体化した時計デザインに行き着く。
2024年に発表された彼らのデビュー作“B/1”は純粋、彫刻的、建築的、印象的なフォルムの時計となっており、光と影を奏でている硬質な印象を持ち、創業者達のブルータリズムに対する想いを表している。
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トレダノ＆チャン（Todedano & Chan）
B/1
彼らのデビュー作“B/1”のアシンメトリーなケースデザインは、ニューヨークのブロイヤー・ビルの窓からインスピレーションを得ている。 マディソン・アベニューと75番街の角に位置するこのビルは、ハンガリー出身でバウハウス建築家のマルセル・ブロイヤーによって設計され、1966年から2014年までホイットニー美術館が入居していたことで知られる。 メトロポリタン美術館の分館として数年間賃貸された後、23年にサザビーズが購入している。“B/1”は、まさにこのブロイヤービルの窓のミニチュアレプリカである。
アヴァンギャルドなデザインのこの時計は、角度のある904ステンレススチール製でブレスレットも同素材で製造されている。ケースのサイズは33.5mm、厚さは10.40～9.10mm（傾斜がかかっている）。見事なエレクトリック・ブルーのストーンダイアルは、70年代にスイスのメーカーで流行したラピスラズリを採用したもの。天然石のため文字盤はすべて一点ものだ。文字盤にはインデックスもブランドロゴも一切なく、自然な凹凸が魅惑的な石の質感を際立たせている。
リューズはケース左側に配置され、ケース右側外側の多角的なフォルムの邪魔にならないように配慮されている。 風防はサファイアクリスタル製で、5気圧防水。ムーヴメントはセリタのCal.SW100を搭載している。 一体型ブレスレットとなっており、長さの異なる平行リンクで構成され、複雑なファセットとアングルがケースのラインと調和している。
一般的なモノとは一線を画しているのが化粧箱で、ブルータリズム建築にインスパイアされたデザインのハンドメイドのコンクリート製ボックスに収められている。ボックスのフォルムは時計のケース形状と呼応している。
B/1 の販売価格は約63万1000円となっており、初回生産分175本は2025年1月現在完売しているが、25年第1四半期に異なるダイヤル色での再販を予定しているそうだ。
【画像】意外に装着バランス良好、“B/1”を別アングルで見る
》トレダノ＆チャン（Todedano & Chan）
公式サイト
https://toledanoandchan.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/
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