一般的に時計に使われる外装素材というと、圧倒的に多いのがステンレススチール。そのほかだとチタンなどの硬質金属や、ゴールドやプラチナなどの貴金属といったところがよく知られており、あとはプラスチックやシリコンなどが目立つくらいだろう。しかしここ数年、レーザーなどの精密加工技術が進化したこともあり、いままで時計には使われてこなかった素材を取り入れる意欲的なブランドが増えてきた。
なかでも注目したいのが天然石の文字盤を採用したモデル。天然石は非常に割れやすく加工が困難だとされ、これまで一部の高級ブランドだけで採用されてきた。近年は高性能な加工機器の登場により、天然石を文字盤に使用しやすくなっているのだ。使用できる天然石のバリエーションも増えており、ラピスラズリ、ターコイズ、タイガーアイなど、多彩な素材がラインナップされている。
【画像】希少な天然石“ウオッチ3選、文字盤のデザインを見比べる
ダイヤモンドなどの宝石やラインストーンのように文字盤にセッティングするのではなく、スライスした天然石をそのまま文字盤にしているのがポイントで、時計として腕に装着すると独特の雰囲気を醸し出す。天然石独特のざらついた質感と、金属よりも柔らかみのある風合いがいいアクセントになってくれる。天然石は個体ごとに微妙に模様や色合いが異なるので、自分だけのエクスクルーシブな時計として、愛着が湧いてくるのも魅力と言えるだろう。
本記事では、“天然石”文字盤を採用したおすすめモデル3選を紹介する。
Maker's Watch Knot(メーカーズ ウォッチ ノット)
秋江(しゅうこう)
10万とおり以上の組み合わせから選べるカスタムオーダーウオッチやコストパフォーマンスの高さで人気を集める“Knot(ノット)”は、数量限定コレクション。文字盤には孔雀の羽のような美しい縞模様を持つ天然石“マラカイト”を使用。天然石をそのまま文字盤に使用しているため、ひとつとして同じ盤面はなく、インデックスやロゴを風防のガラス裏に印刷することでマラカイトの魅力を最大限に生かしている。ムーヴメントにはエプソン製“Cal.YM91”を搭載している。
【問い合わせ先】
Maker's Watch Knot(メーカーズ ウォッチ ノット)
TEL.0800-555-7010
The Nishiogi(ザ・ニシオギ)
天然ターコイズ・クイーン
東京・西荻窪を拠点する国産ブランドの新鋭“ザ・ニシオギ”の新作。代表モデルのひとつ、“西荻の窓”をベースに、トルコ石とも呼ばれ、幸運を呼ぶパワーストーンとしても知られるターコイズの原石をそのままスライスし、最小限の加工のみで文字盤に採用。スライスする場所や石によって表情が異なるため、世界でひとつだけの風合いや質感を楽しめる。硬質でありつつ温かみを感じさせる、金属の文字盤にはない独特の質感が魅力的だ。
【画像】希少な天然石“ターコイズ”文字盤を、別アングルで見る
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ミスズ
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