時計界でのトレンドのひとつとして数を増やしている復刻モデル。なかでも近年よく見られるのが往年の名作をモチーフにしつつ、デザインや機能にアレンジを加えた“現代解釈型”の復刻モデルだ。
デザインや機能を含めてモチーフとなったモデルを忠実に再現した“完全復刻型”に比べると復刻感は薄くなるが、最大の魅力であるレトロ感を楽しみつつ、現代のライフスタイルにマッチする使いやすさが高められているのが特徴。
なかでもセイコーは、手が届く価格で“現代解釈型”の復刻モデルを多くリリースしている。この記事では、セイコー プレザージュより、8万円台で発売中の復刻モデルの実機レビューを行っていく。
【画像】8万円で発売中!セイコー プレザージュの人気復刻モデル
【実機レビュー!セイコーの“現代解釈型”復刻モデル】
セイコー プレザージュ(SEIKO PRESAGE)
ベーシックライン Style60's
●文字盤デザイン
文字盤はサンレイ装飾を施したのち、光沢感のあるラッカー仕上げを採用。11時〜4時にパワーリザーブインジケーターを配置し、時分秒針と同軸の針でゼンマイの巻き上げ残量を表示してくれる。このパワーリザーブインジケーターは、実用的な表示機構としての魅力に加え、デザイン的なアクセントとしても効果を発揮している。
また、パーツの質感の良さもこのモデルの大きな魅力だ。6時位置に配置されたポインターデイトのサブダイアルは簡易的に文字盤をくり抜いただけでなく縁の部分に鏡面仕上げを採用。エッジのある多面的造形のアプライドインデックス、中央に稜線を設けた時分針など各パーツが立体的な造形に仕上げられているため、8万円台という手頃な価格とは思えない上質な雰囲気を感じさせる。
アプライドインデックの内側に配置されたスクエアのマーカー、時分針には経年変化した夜光塗料を思わせるベージュのカラーを採用。ベゼルの目盛りも同系色のベージュで統一されており、アンティークウオッチを想起させる色合いが魅力的だ。
●外装&ムーヴメント
<ケース・ラグ(写真左上)>
ケースとラグは、1964年に発表された“クラウン クロノグラフ”からエッセンスを取り入れ、直線を生かした多面的フォルムを採用。多面的フォルムでありながら、エッジの鋭角さが弱く丸みを帯びている点は少々残念なポイントだが、フロントはヘアライン、ファセット部分とサイドは鏡面と、二つの仕上げを組み合わせることでデザインにアクセントを加えているのは好印象だ。
【画像】デザインモチーフの1964年発売“クラウン クロノグラフ”
<ブレスレット・バックル(写真右上)>
ブレスはヘアライン仕上げで統一された3連ブレス。コマはそれぞれ削り出しで成形されており重厚な質感を楽しめる。汚れが目立ちやすい鏡面ではなく、ヘアラインで表面の仕上げを統一。バックルはプッシュ式の三つ折れタイプで、二重ロック式に比べると堅牢性はやや劣るが、着脱は楽。バックルのパーツは肌に触れる部分に斜めのカットと丸みをもたせているのでストレスなく着けられる。
<ケースサイド・風防(写真左下)>
ボックス型の風防(オリジナルモデルはプラスチック風防であったがこのモデルはセイコー独自のハードレックスを採用)が往年の雰囲気を感じさせる。ケース厚は約14mmで、風防と合わせて横から見るとなかなかの厚みだ。
<ムーヴメント(写真右下)>
ムーヴメントは、毎時2万1600振動で、最大41時間パワーリザーブを備えたCal.4R57を搭載。精度は日差+45秒〜-35秒。6R系より4R系の方がやや下位、中位機械ということもあり、装飾は簡易的な印象だが、機械式時計ならではのメカニカルな造形を楽しめるのは魅力的だ。
●装着感
ケースはリューズを除いた直径が40.8mmで、ラグからラグまでの上下幅が48.9mm、重さが148グラム。40mm以下だとややコンパクトな印象となるが、40mmをわずかに超えるサイズ感を採用した点が心憎い。ラグの先端が手首の内側に納まる絶妙なデザインバランスに仕上げられている。アンティークテイストを感じさせつつ、現代的な雰囲気を備えたサイズ感と言えるだろう。
【問い合わせ先】
セイコーウオッチお客様相談室
TEL.0120-061-012
文◎Watch LIFE NEWS編集部
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