名実ともに“実用時計の王”として君臨してきたロレックス。かつては手頃な価格のモデルも多かったが、近年は金価格の高騰や世界情勢の変化などの様々な要因で価格改定による値上げを繰り返しており、もはやステンレスモデルも実用時計とは呼べないほどの高級時計になってしまった印象が強い。
対して“国産時計ブランドの最高峰”とも称されるグランドセイコーは30万円台で購入できるモデルもあるなど、ビジネスパートナーとして最適な時計も数多い。海外における存在感も年々高まっており、いまや最高の実用時計と呼ぶにふさわしい地位を確立しつつある。
そこで本連載では、改めてグランドセイコーの魅力を紹介。国内外で幅広い支持を集める同ブランドの人気の理由を文字盤デザイン、外装、ムーヴメントの三つの観点から3回に分けて紐解いていく。初回のテーマは控えめながらも個性を放つ多様な“文字盤デザイン”だ。
【画像】スイス時計にはない風情!グランドセイコーの“自然美”文字盤モデル3選
》グランドセイコーとは
世界最高級の腕時計を作り出すという決意から、1960年にセイコーの技術の粋を注ぎ込み開発されたブランド。マニュファクチュールの強みを最大限に生かし、精度、見やすさ、使いやすさ、耐久性といった腕時計の本質を高い次元で追求・実現し続け、たゆまぬ進歩を続けている。
スイス・クロノメーター規格よりも高い精度基準を設定した“グランドセイコー規格”を満たした“9S メカニカルムーヴメント”や、クォーツの常識を超えた超高精度“9F クォーツムーヴメント”、双方の技術・技能の蓄積を融合した独自の機構“9R スプリングドライブムーヴメント”の三つの機構を搭載するコレクションを中心に、世界中で高い評価を得ている。
【グランドセイコーの魅力①】
“控えめながらも個性を放つ多様な文字盤デザイン”
日本の美意識をデザイン様式に取り入れ、スイスの時計とは異なる日本的な感性が息づいたデザインを楽しめるグランドセイコーの時計。ビジネスウオッチにも適した控えめな文字盤デザインのイメージも強いが、色鮮やかで日本の自然美を表現したモデルも多く存在する。ここでは以下の3モデルを例に紹介しよう。
エボリューション9 コレクション
SLGH005(画像左)
2023年のWBC開催時に、大谷翔平選手がヌートバー選手にプレゼントした腕時計としても知られるモデル。製造拠点である“グランドセイコースタジオ 雫石”周辺の壮麗な白樺林をイメージした文字盤で、ダイナミックな型打模様と繊細なカラーリングが施されている。
■Ref.SLGH005。SS(40mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.9SA5)。121万円
キャリバー9R 20周年記念限定モデル
SBGA499(画像右上)
前述したグランドセイコーの独自機構スプリングドライブムーヴメント“キャリバー9R”の誕生20周年記念モデル。朝日に照らされた、秋の穂高連峰の情景に着想を得たカラーリングが美しい。
■Ref.SBGA499。SS(40.2mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.9R65)。世界限定1300本(うち国内600本)。79万2000円
キャリバー9R 20周年記念限定モデル
SBGA497(画像右下)
長野県・穂高連峰で見られる朝焼けに美しく染まる雪原のようなグラデーション文字盤には、冬から春に向かう雪解けシーズンの美しさが感じられる。華やかながら控えめな佇まいで、まさにグランドセイコーの魅力が詰まったモデルだ。
■Ref.SBGA497。TI(41mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.9R65)。世界限定1500本 (うち国内650本)。86万9000円
日本の四季や自然の美しさを表現した美しい文字盤デザインが魅力のグランドセイコーの腕時計。その佇まいは、スイス時計にはない和の心が感じられる芸術作品とも言えるだろう。
次回はグランドセイコーの独自チタン素材“ブライトチタン”や“ブリリアントハードチタン”、ゆがみのない美しい面を作る外装仕上げの“ザラツ研磨”など、外装をテーマに同ブランドの魅力をお届けする。
【問い合わせ先】
セイコーウオッチ お客様相談室(グランドセイコー)
TEL.0120-302-617
文◎市村信太郎(編集部)
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