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【パテック フィリップのアンティーク時計がほしい】初心者は何を買ったらいいのか?

業界唯一のアンティーク時計の専門誌「ロービート(LowBEAT)」編集部が毎週水曜日にお届けしているアンティーク時計初心者向けの入門記事。今回はアンティークのパテック フィリップについて解説したいと思う。

手巻きであれば王道の96系
自動巻きならスクリューバック仕様

アンティークのパテック フィリップの場合は、時計自体の作りや性能に対するクオリティが元々かなり高いため、特にどのモデルがいいということはあまりない。極論するとどれでも問題はないと言えるかもしれない。

ただし、レファレンスの種類もかなり多いため購入にあたっては特定のモデルやムーヴメントもさることながら、安くても100万円以上と高額となるため最終的には予算的な面で絞り込むことになるだろう。

そんなオールドパテックで最も人気が高く探している人が多いモデルといえばやっぱり“カラトラバ”である。つまり通称クンロクことRef.96だ。そのためまずは、このカラトラバで探すというのはパテック フィリップを狙ううえでの王道と言える。

このRef.96は下に挙げたように、ムーヴメントを載せ替えながら1932年から71年頃まで実に約39年間も長きにわたって生産された。そのため価格帯もかなり広い。

また96の特徴であるフラットベゼル、そしてケースとラグが一体となった美しいケースフォルムはカラトラバスタイルと呼ばれ、96以外にもそれを受けつぐレファレンスも多い。そのためあえてそちらを狙うという選択肢もある。

これには大きく3タイプにわかれ、10型の小振りな手巻きムーヴメントを搭載した“ベビー・カラトラバ”がRef.438と448。

同じ手巻き12型を搭載し30.5mm径の96よりも大きい35から36mm台の“ビッグ・カラトラバ”はRef.530、570、2508、2509。

そして自動巻きの“カラトラバ・オート”はRef.3403、3438、3439など選択肢も多く一考の価値はある。ただし、実用を考えるなら裏ブタがスクリューバック仕様を選ぶのが得策だ。

【Ref.96(カラトラバ)に搭載された手巻きムーヴメント】
・1935年 Cal.12-120
手巻き12型初の機械。Ref.96にはこのキャリバーを搭載した個体が最も多い
・1938年 Cal.12SC
Cal.12-120をベースに作られたインダイレクト式センターセコンドムーヴメント
・1950年 Cal.12-400
耐震装置を装備した12型の第2世代
・1960年 Cal.27-AM400
12型の3代目。ジャイロマックステンプを備え、振動数も毎時1万9800にアップ

文◎LowBEAT編集部

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