Ocean To Orbit(オーシャントゥーオービット)はオーストラリアの南東部、メルボルンを拠点とする独立系マイクロウォッチブランド。2021年にデイヴィッド・デューイットとシッダルタ・カザミによって設立された。 2人の創業者はカーデザイナーとして35年以上のキャリアがあり、フォード・レンジャー・ラプターなどのプロジェクトで共に働いた経験をもつ。
面白いのが、オーシャントゥーオービットのデザインだ。自動車デザインから得た創造性、情熱、洗練された感覚を時計デザインに落とし込みつつ、彼らの時計は様々なライフスタイルにフィットする、機能的なデザインに仕立てられている。
カーデザイナーの時計ブランドと聞くと、名車のフォルムやスピードメーターからインスピレーションを得た個性的な時計を思い浮かべがちだが、オーシャントゥーオービットはかなりシンプルなのだ。このデザインのモチーフとなったのは、20世紀初頭から半ばにかけての偉大な探検家や開拓者が身に着けていた時計。
時計好きなデイヴィッド・デューイットとシッダルタ・カザミにとって、当時、探検家が使用したツールウオッチ(オメガ のCK2287、ロレックスのオイスター・パーペチュアル、スミスの A409など)は、憧れの時計であったそうだ。ローチェを創設する際、彼らはこうした偉大で歴史的な時計に触発された日常のツールウォッチを作り出すことを決め、エベレスト登頂、北極遠征など、過酷な状況下でも耐えられるように設計したファーストコレクション、ローツェを製作することとなる
“ローチェ”というモデル名は、中国・チベット自治区とネパールのクーンブ地区の国境付近にそびえる、標高世界第4位のローツェ山(標高 8516m)に由来しているそうだ。
ブランドアンバサダーである登山家のプルニマ・シュレスタは、8481mの世界で5番目に高い山であるマカルへの遠征でローツェのプロトタイプを着用。標高5000m以上の高地で2カ月近く使用し、その機能性の高さを実証している。
Ocean To Orbit(オーシャントゥーオービット)
ローツェ
ローツェは1950年代のツールウオッチからインスパイアされた、スタイリッシュで洗練されたスポーツウオッチコレクションだ。小振りなステンレススチールケースは実用を重視したヘアライン仕上げをベースにしつつ、スロープした縁にポリッシュ仕上げを施すことで、登山からホテルのラウンジまであらゆる場面に適したスタイリングに仕上げられている。
デイト表示のないシンメトリーな文字盤もケースと同じく垂直面にヘアライン仕上げが施され、視認性の高い夜光を塗布したアプライドインデックスがデザイン的なアクセントを加える。印象的なのが時分針だ。いずれも、ロケットをモチーフとしたフォルムを採用しており、“オーシャン・トゥ・オービット(意訳:海から宇宙まで)”という、ブランド名を象徴するデザインアイコンになっている。
ケースは直径 38.5mm、厚さは11.5 mmの ステンレススチール製で、ラグからラグまでの幅が47mmと、日本人の手首にもしっかり対応する絶妙なサイズに仕立てられている。
ムーヴメントはスイス製の自動巻きムーヴメント、Cal.STP 1-21 を搭載。ねじ込み式リューズにARコーティングを施したボックスドーム型サファイアクリスタル風防を装備し、100m防水を備えている。10種類の文字盤カラー/ストラップのバリエーションから選択が可能で、価格はリブ編みナイロンベルト仕様で約12万8000円、スチールブレスレット仕様で約14万4000円だ。
》Ocean To Orbit(オーシャントゥーオービット)
公式サイト
https://www.oceantoorbit.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/
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