福島県南相馬市小高(おだか)。福島第一原発から20㎞圏内であり、帰宅困難区域が解除されるまでは居住することができず、一度は人口ゼロになった地域だ。ここに拠点を構えるフクシマウォッチカンパニーは、この地をスイスのように見立て、時計産業の集積地として発展させるべく奮闘している。
「福島県ってスイスやドイツ、フランスなどヨーロッパの田舎町のような風土なんですよ。例えば猪苗代町はジュネーブに近い雰囲気で、いずれそこを中心にした時計メーカーの集積地となっていく未来を想像しているんです。当社がある南相馬市小高は、海と山に囲まれた広大な土地に田畑が広がり、広大な土地を生かした農業も盛んです。
初作の“オダカ”ではカラー名で地元農産物を表現しましたが、それは風評被害や放射能に対して試行錯誤しながら、農業を再開させた農家のみなさんに対するリスペクトでもあります」(ブランド創設者・平岡雅康さん)
【画像】懐中時計を彷彿させるクラシカルなフォルムの初作“オダカ”
前作のオダカはユニセックスとして36㎜ケースを採用したが、今作・フタバはよりユニセックスを追求して34㎜径をセレクトした。
Fukushima Watch Co.(フクシマウォッチカンパニー)
Futaba(フタバ)
全体を美しくポリッシュすることで、発色の良いツートンダイアルの存在感を引き立たせている。カラーバリエーションはレギュラーモデル5種に加え、特別なカラーリングを施した2種のチャリティーモデルが各限定10本で展開される。
「小径ですが、文字盤インデックス下地のサークルが存在感を出していて、小さすぎるとは感じないと思います。被災地としてまだ暗い印象がありますが、そのイメージを払拭したいため、カラーリングは少し明るめの色をチョイスしました。ミラー仕上げをした7連ピースの細かなブレスレットは、光の反射でキラキラと輝き、光と影の様子を表現してくれます。ステンレス無垢素材で、ケース接合部の隙間も少ない精密なサイズで製作しました。コマ調整は割れピンではなく、ネジ式を採用して高級感ある仕上げにしています」
ツートン文字盤を採用することで立体感を演出し、ブレゲ数字のアプライドインデックスの端正さがシックな雰囲気を 醸し出していて、ありそうでなかったテイストだ。モデル名にちなみ、二つの針にリーフ型を採用するなどしゃれも利いている。高品質なブレスも相まって、手首に乗せたときのなじみ方も良好。老若男女問わずに使えるかわいらしい時計に仕上がっている。この地の時計産業が盛り上がることを大いに期待したい。
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Fukushima Watch Company(フクシマウォッチカンパニー)
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文◎Watch LIFE NEWS編集部
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