アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ハンハルト
フリーガークロノグラフ
各国で軍用クロノグラフの運用が本格化するのは第2次世界大戦後だが、ドイツでは1930年代に早くも軍用クロノグラフの運用を開始していた。
当初はドイツ航空省が国内の輸入業者をとおして、スイス製のクロノグラフを海軍や空軍に支給しており、確認されているものではレマニアやミネルバが比較的多く、ほかにはブライトリングやユニバーサル、ホイヤーなどもあった。
その後、軍事作戦上、特に高い精度が要求される軍用時計については、基本的にドイツ国内の時計メーカーが製造を担うようになる。A.ランゲ&ゾーネやラコ、ストーヴァ、ヴェンペなどは、Bウオッチの名で知られる3針のパイロットウオッチの製造を担った。
対して軍用クロノグラフの製造を担ったのが、チュチマとハンハルトである。
今回取り上げるのは、ハンハルトが手がけた軍用クロノグラフの初期型だ。
クロノグラフのスタート、ストップ、リセットをひとつのボタンで行うワンプッシュ式の手巻きCal.40を搭載。回転ベゼルとスムースベゼルのタイプが存在しているが、この個体は後者で、主に海軍が使用したといわれる(回転ベゼル仕様は主に空軍)。
ちなみに終戦後、ハンハルトの施設がフランスの占領地域にあったことからフランスが接収。ハンハルトのクロノグラフは、針とデザインと“ヴィクサ”と名を変えてフランス軍が使用した。
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文◎LowBEAT編集部