アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
オメガ
グローブマスター
オメガは当初、自動巻きムーヴメントの性能に対して懐疑的だったといわれる。しかし、ロレックスの成功を受けて、その必要性を痛感し1942年に自動巻きムーヴメントの開発に着手。翌年、同社初の自動巻きムーヴメントを完成させた。
同社がいっそう自動巻きモデルの開発に注力するようになるは、創業100周年記念として製作した自動巻きモデル“センテナリー”(1948年)の成功以降である。その後、52年に自動巻きモデルの最上級ラインとして“コンステレーション”コレクションを発表した。
そのすべてがクロノメーター仕様として展開され、高精度を誇ったコンステレーションは、今日アンティークオメガを代表するモデルとして認知されている。
今回取り上げるのは、そんなコンステレーションの北米市場向けモデル“グローブマスター”だ。
なぜ異なるモデル名が付けられたかというと、そこには“ある事情”があった。
その事情とは、当時、北米市場ではすでに“コンステレーション”という商標が他社によって登録されていたために使えなかったというのだ。
ちなみに初期に北米市場に流通したもののなかには、見た目はコンステレーションそのものでありながらモデル名の記載がない個体もごくわずかに確認されている。
商標権の問題は1956年に解決したといわれるが、“グローブマスター”名はその後も一部のモデルで使い続けたようである。ただ、全体としての製造数は圧倒的に少なかったようで、今日、愛好家から珍重されるアンティークオメガのひとつだ。
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文◎LowBEAT編集部
画像◎プライベートアイズ