アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ロンジン
タイプA-11 ウィームス アメリカ陸軍航空隊
アメリカ海軍大佐であり航空航法の第一人者だったP.V.H.ウィームスが1929年に考案し、ロンジンが時計として具現化した通称“ウィームス・セコンドセッティングウオッチ”と呼ばれるパイロットウオッチ。これは、一般的な3針で秒針の動きを止めることなく正確な経過時間を計測するために、“秒目盛り自体を動かす”という方法を取り入れた、当時としては画期的な腕時計だった。
当初のウィームスウオッチは、文字盤の中央にディスク式の秒目盛りを備え、そのディスクを回転させて計測するタイプだったが、後に小型化に加え、目盛り付きの回転ベゼルタイプに改めている。
今回取り上げるのは後者、第2世代に分類されるウィームスウオッチだ。
このタイプのウィームスウオッチは民生品がほとんどだったようだが、一部はアメリカ軍(タイプA-11)やイギリス軍(マーク7A)に納入された実績を誇っている。この個体は、まさしくアメリカ陸軍航空隊のパイロットに支給されたリアルミリタリーウオッチで、裏ブタに記されたアメリカ軍の管理コード、そして軍用として文字盤にブランド名すら記されていない点などがその証だ。
また裏ブタの刻印からはさらに詳しくこの個体の来歴を知ることができる。
“U.S.ARMY ARMY A.C.”はアメリカ空軍の前身にあたるアメリカ陸軍航空隊、“40-8”というシリアルナンバーは供給年“1940年”の“8番目”という意味だ。
ちなみに、1927年に世界初の単独大西洋無着陸飛行に成功した飛行家リンドバーグは、このウィームスウオッチの存在を知って、測位機能をもたせた“アワーアングルウオッチ”のアイディアを思いついたといわれている。
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文◎LowBEAT編集部
画像◎キュリオスキュリオ