ヘメルは2016年にニューヨークで誕生した新興ブランドだ。オランダにルーツをもつ創設者のバックグラウンドから、オランダ語で“空”を意味するブランド名を採用し、1950年代から70年代のパイロットクロノグラフにインスパイアされたコレクションを展開している。
本作はヘメルのなかでも特に時計好きから支持の厚い手巻きクロノグラフだ。マットブラック文字盤を採用。外周にはスーパールミノバで大きめのアラビアインデックスが配置されており、こんもりと夜光塗料を塗布したインデックスの仕上がりや経年変化を表現したベージュの色合いもマニア心をくすぐる。
HEMEL(ヘメル)
HF22 エアディフェンス
1960~70年代の英国軍のパイロットウオッチを彷彿とさせる手巻きクロノグラフモデル。Venus175と同じ設計をもつ手巻きクロノグラフムーヴメント、ST-19を搭載し、古典的な造形と操作感(リセットがとにかく軽快)を手の届く価格で楽しめる。黒文字盤(左)とパンダ文字盤(右)がラインナップされている。
【画像】メカニカルなムーヴメント、装着時のサイズ感をもっと見る
ピアノの黒鍵のような輝きを放つセラミックベゼルを加え、古典的雰囲気を生かしつつ高級感を高めているのも魅力的だ。
また、スイスのヴィーナスが製造していたヴィーナス175の系譜に連なるシーガル社のCal.ST19を搭載している点も注目したい。
60年代に“ヴィーナス175”の生産設備の売却を検討していた際に、当時の中国政府がライセンスと製造設備を購入し、技術指導を受けて65年よりCal.ST16という品番で製造を開始(ロシア経由で中国が買ったなど経緯は諸説あり)。その後、改良を経てCal.ST19へ進化しており、現在はシーガル社が製造を受け継いでいる。
コラムホイールはもちろん、バネでリセットハンマーを動かす機構も継承しており、クロノグラフをリセットする際の操作感が軽快で心地よい。またヴィーナス175が毎時1万8000振動で17石であったのに対し、ST19は2万1600振動、20石に改良されており、45時間パワーリザーブを備える。
鮮やかな青いネジ、コラムホイール、ブリッジに施されたコート・ド・ジュネーブ風の装飾など、美観がしっかりと考慮されているのも好印象だ。
【画像】“ヴィーナス175”とCal.ST19の設計や作り込みを見比べる
【問い合わせ先】
石岡商会
TEL.03-5396-4008
文◎Watch LIFE NEWS編集部
【そのほかのニュースもチェック!】
■3万円台なのに高級感あふれるデザイン【国産ブランド、セイコー】“TiCTAC”40周年記念の別注モデル
■オメガ×スウォッチの新作【11月2日、緊急発売】腕時計初の“アースフェイズ”搭載、“月と地球”の星の満ち欠けを表示
■200m防水【米ネイビーシールズも使用“ルミノックス”】海を感じる波模様のテクスチャー文字盤