LowBEAT magazine ロレックス 小スライド 連載記事 @kikuchiのいまどきの時計考

【販売されているロレックスに「リダン」と書いてある】これってニセモノじゃないの?

業界唯一のアンティーク時計の専門誌「ロービート(LowBEAT)」編集部が毎週水曜日にお届けしているアンティーク時計初心者向けの入門記事。今回は「リダン」について取り上げる。上の写真は1940年代に製造されたロレックス・バブルバックで文字盤にリダンが施されたものだ。

この「リダン」とは経年変化によって文字盤が汚れたりシミができたりして、それを再塗装するなどキレイに修復して再生された文字盤のことを指す。「リダン」と聞くとどうしてもネガティブなイメージを持たれがちだが、修復しながらも長く愛用する習慣のある欧米では、昔からよくあることだったようだ。

つまり、「リダン」とはオリジナルを基本に、あくまでもキレイに再生された文字盤のことを指しており、いわゆるオリジナルになかったものを意図的に追加したり、他の人気デザインに似せて作ったりする「偽造」品や、個人的に楽しむために元の時計とは異なるデザインや色に変更した「カスタム」品とは違うため、アンティーク時計市場ではリダン品については販売されていても基本問題はない。

ただし、リダン品を販売する場合はユーザーから誤解を招かないよう、それを明記する必要がある。そのためアンティーク時計専門店では商品のタグや説明などにちゃんと「リダン」と明記したうえで販売しているというわけだ。

なお、リダン品については相場よりも安く販売されている。そのため当時のオリジナル性に特にこだわらない人や、ファッションとして少しでもキレイなものが着けたいという人には、選択肢のひとつに加えてもいいのではないかと思う。ただ、購入の場合は必ずアンティーク時計を扱っている専門店で現物を見たうえでの購入をおすすめする。

文◎LowBEAT編集部

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