アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
IWC
インヂュニア
“ペラトン自動巻き”と呼ばれる優れた自動巻きムーヴメントを開発し、“オールドインター”の愛称でコレクターから支持された往年のIWC。その代名詞的な存在のひとつが、今日まで系譜が受け継がれる耐磁時計“インヂュニア”である。
誕生は1955年。そもそもインヂュニアは高い耐磁性能を備えたパイロットウオッチのマーク11(1948年初出)を民生向けに改めたものだったといわれており、公式の耐磁性能は当時としては破格の1000ガウス(≒8万A/m)もあった。
もっとも、“民生向け”ということでマーク11とデザインが大きく異なり、搭載ムーヴメントも手巻きではなく、当時最新の自動巻きムーヴメントであった。厚みのある自動巻きムーヴメントをさらに軟鉄製のインナーケースでくるんで耐磁性能を確保していたため、ケースも約13mmとやや厚かった。このぷくっとした愛くるしいフォルムも往年のインヂュニアの魅力と言える。
ちなみに当時の価格は350スイスフランと、一般的な自動巻きモデルの約2倍と決して安くはなかった。だが、技師、パイロット、研究職といったホワイトカラー向けを強くうたったモデルのため、価格はあまり問題にならなかったようだ。
【オールドインターを商品をLowBEAT Marketplaceでもっと見る】
文◎LowBEAT編集部
画像◎ケアーズ