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下落が続く“デイトナ”。専門店に聞いた「いまデイトナを買うなら“現行”それとも“旧型”?」|菊地吉正の【ロレックス通信 No.272】

今回は久しぶりにデイトナに注目してみたいと思う。

デイトナについては9月22日の当連載269回で「55万円とは驚いた。影響を大きく受けたモデルと、そうでないモデルとは?」(関連記事参照)と題して現行デイトナの下落について取り上げたが、その状況はいまもあまり変わっていない。購入を考えているユーザーにとってはなんとも悩ましいところである。

そこで、時計専門店「コミット銀座」の鑑定士、金子氏に「いまデイトナを買うならどのモデルですか?」と質問し、おすすめ度順に挙げてもらった。

【1位】 Ref.16520(1988〜1999年)|ゼニスの自動巻きクロノグラフムーヴメント“エル・プリメロ”を搭載したデイトナ第4世代。
●一般的な価格帯の目安:300万円台後半から400万円台

【2位】 Ref.116520(2000〜2015年)|ロレックス初となる自社開発の自動巻きクロノグラフムーヴメント、Cal.4130を搭載した第5世代。
●一般的な価格帯の目安:200万円台後半から300万円台

【3位】 Ref.126500LN(2023年〜現在)|現行モデル。Cal.4130をブラッシュアップしたCal.4131への移行に伴い外装面も若干のマイナーチェンジされた第7世代。ただ見た目にはほとんど第6世代と変わらない。
●一般的な価格帯の目安:400万円台半ばから500万円台

【4位】 Ref.116500LN(2016〜2022年)|ベゼルにブラックセラミックを採用するなどデザイン面でのリニューアルが施された第6世代。
●一般的な価格帯の目安:400万円から500万円

金子氏は「近年の傾向として、4位に挙げた116500と3位の現行126500はどちらかというと海外からのお客様に人気が高い傾向が強く、一方で国内需要でみると1位の16520のほうが人気が高いという感じです。海外ユーザーと日本ユーザーとでは好みが顕著に別れています」と語る。

おそらくは、現行に近いモデルはもろに為替の影響を受けやすく相場が不安定なため、日本人愛好家にとっては買いにくいということなのだろう。その点、為替の影響を受けずに相場が安定しているうえ流通数もそれなりにある。そのため長い目で見ると旧型のほうがリスクは少ないということが背景にあるようだ。

そんな旧型について金子氏は「購入目的によっても変わりますが、購入後に着用して資産価値の側面も考えて購入するならダントツでおすすめはエル・プリメロを搭載する16520ですね。同じく為替の影響をあまり受けないという点では116520もいいと思います。その際は、個体の状態にもよりますが買うならクリームダイアルの個体が狙いどころです。
もちろんデザインがかっこいい現行モデルが欲しいという方もいますので、そういった方は安くなっているいまが「買い時」かもしれません。ただ今後為替がどう動くかは不透明のため投機目的ではなく、あくまでも製品そのもののクオリティやデザインの良さ、そしてそれを着けて楽しむということを目的に選んでほしいものです」

最後に「とにかく投機とかではなく自分のスタイルやこだわりとして、それに合った世代のデイトナを選んでもらうのが一番」(金子氏)と語っていた。51年もの間7世代にわたって歴史を紡いできたデイトナ。世代ごとに秘めた魅力には計り知れないものがあることも確かだ。

【画像】4世代のデイトナを写真で比較!

【関連記事】
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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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