諏訪精工舎のグランドセイコーとともに腕時計の道を模索すべく、第二精工舎が打ち出したキングセイコーは、2960年代を代表する国産時計として知られる。そのキングセイコーが復活を果たしたのが2022年のこと。その新作として24年に登場したのがKS1969だ。
モチーフとなったのは69年登場の45KCMで、毎時3万6000振動のハイビート化によって高精度を実現したムーヴメントを搭載していた。またデザイン的には同時期のオメガも取り入れていたCラインの曲線美が光る。
それまでのキングセイコーはどちらかというと直線的なデザインが多かったのだが、緩やかな丸みを帯びたケースのフォルムはいかにもミッドセンチュリーという雰囲気で、いまでもファンが多い。
優美なCラインケースが特徴となった “45KCM”の 現代的解釈モデル
【画像】全部で3色展開、薄型ケースの装着感とバリエーションをもっと見る
今回のKS1969も、そのCラインがきちんと継承されている。サイドのカットが絶妙で、Cラインのふんわりした丸みを生かしつつ、3次元的な造形によって巧みに薄さを演出している。実際にケース厚9.9mmと、ぎりぎり10mmを切っており、横幅が39.4mm、ラグの先端からの上下幅も43.6mmなので手首に乗せたときの装着感はかなりいい。
ケースサイドは3次元的なカットが施されており、薄さをより強調したデザインになっている。カーブしたケースサイドもきちんとポリッシュされており、セイコーの仕上げ技術の高さが感じられる。
薄型化に大きく貢献しているのが、6L35ムーヴメントの採用だろう。近年のセイコー高級モデルによく採用されている機械だが、その薄さを生かして自由度の高い設計を可能にしている。精度も日差プラス15秒~マイナス10秒と高く、デイリーユースには十分なクオリティだ。
ブレスレットは多列タイプで、ヘアラインとポリッシュの使い分けが美しい。このブレスレットも装着感が良く、ケースのクラシカルな雰囲気によくマッチしている。バックル部分も着脱が簡単で使いやすい。文字盤は伝統色の“江戸紫”が深みを感じさせて雰囲気がいい。そのほかにシルバーとグリーンがラインナップされているが、いずれもトレンドを感じさせる絶妙なトーンで、人気を集めそうだ。
単なるレトロ風ではなく、現代的な解釈をきちんと取り入れた設計志向はさすがだ。価格もいまの相場としては抑えられており、コストパフォーマンス的にも高く評価できる。
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文◎Watch LIFE NEWS編集部/写真◎水橋崇之
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