海に持っていける時計を選べと言われたら、やはりダイバーズウオッチが第一候補となるだろう。300m防水とか、もっと深くまで対応できるものまである。
デザインも多種多様なので、ビギナーは思わず見た目重視で選んでしまいがちだが、少し待ってほしい。実はダイバーズウオッチは基礎的な知識がないと後悔することも多い。初心者がダイバーズウオッチを選ぶときのいくつかの基本的なポイントをお話しよう。
まず、ダイバーズウオッチの規格について。ダイバーズウオッチの性能には厳格な規格が存在する。そのひとつが国際標準化機構(ISO)の定める“ISO 6425”なのだが、市販されているすべてのダイバーズウオッチがこれに当てはまるかといえばそうではない。というのも、正式に準拠するかはメーカーに任されており、準拠しなくともダイバーズウオッチとして販売可能となっているのだ。
そんなわけで、厳密に本格的なダイバーズウオッチを手にいれるならISO 6425に準拠したものを探す必要があるわけだが、メーカーとしては基準を満たし、なおかつ認証を受けるためのハードルが高いため、数が極端に少ない(ISO規格の詳細と認証モデルについては以前掲載した記事を参照)。
実際に深海にダイビングするわけでもなく、ファッションをメインとした日常使いを想定して陸ダイバー仕様で初めてダイバーズウオッチを求めるなら、ISO規格にこだわる必要はないだろう。これだけを押さえておけば十分といったポイントを三つ挙げる。
ポイント1:防水性能
防水性能は300m程度欲しい。“300mも?”と思うかもしれないが、実は300m防水=300mまで潜れるわけではない。ゆっくりと時間をかけ、時計を静止状態で沈めた時に300mまで耐えられるという意味で、実際には水泳やサーフィンには200m防水程度、水深最大約40mのファンダイビングでも300m防水を備えていたいところ。少しオーバースペックなようでも、マリンスポーツで気兼ねなく着けるなら、300m防水くらいあればより安心というわけだ。
ポイント2:ケースサイズ
ダイバーズウオッチは防水性確保のためにケースを厚くしていることが多く重くなりがちだ。さらに、防水性に加え、衝撃に備えてリューズガードが付いたり、逆回転防止ベゼルが付いたり、ヘリウムガスエスケープバルブが付いたりと機能が増えていく。しかし、毎日使うことを考えると、機能や重さをある程度制限する意味で、ケースサイズは42mmまでに抑えておくことをお勧めする。陸ダイバーにヘリウムガス抜きのバルブは必要ないだろう。
ポイント3:ブレスレット
ダイバーズウオッチのなかには、スポーティなデザインのためにラバーベルトを採用するモデルがある。ラバーベルトは色もたくさんあるためファッションとしては楽しめるが、海で実際に使うなら、劣化の可能性があるラバーは避けたほうがいいだろう。もしあなたがベルト外しの工具や交換用のベルトを持っていて、都度交換するのが手間でないなら話は別だが、普段使いのままで週末のマリンスポーツにもそのまま着けられるブレスレットが万能だ。少なくとも夏の間はブレスレットにしておくと、革ベルトのように早く傷むこともなく便利だ。
これらの特徴をもった筆者おすすめの3本を紹介する。初めてのダイバーズウオッチを探すときに役立ててほしい。