Straton Watch Company(ストラトン)は、デザイナーでクリエイターのカイル・シュットによって2015年にスイスで設立された、日本未上陸の独立系マイクロウオッチブランドだ。 南アフリカ南西海岸のケープタウン出身のカイルは、プライベートとビジネスの両方の理由でスイス最大の都市チューリッヒに移住した。
その後、時計業界に足を踏み入れたカイルは、15年にわたってキャリアを積み上げていくのだが、その経験のなかで時計ブランド創設を目指すようになる。自身が熱中するクラシックカーと時計のを融合模索していたそうだ。
起業資金がなかったため、ブランドのデビューモデルであるヴィンテージ・ドライバー・クロノを販売するために、大手クラウドファウンディングのキックスターターを活用。 目標額の10倍に当たる資金を集めて、プロジェクトは成功し、ストラトンを立ち上がることになった。
ストラトン・ウォッチ・カンパニーは、自動車の歴史、レース、ヴィンテージカーからインスピレーションを得て、それに熱中する顧客のための時計を生み出している。 今回は、ストラトン・ウォッチ・カンパニーのコレクションから、二つのモデルを紹介する。
ストラトン・ウォッチ・カンパニー
カフバスター・スプリント
カフバスター・スプリントは、1972年に誕生した時計ブランド“デソトス( Desotos )が手がけたクラシックモデルからデザインのインスピレーションを得ている。同社はクロノグラフをはじめ、幅広いジャンルのスポーツウオッチを提供していた知る人ぞ知る存在だ。
デソトスは、レーシングドライバーや航空機パイロットなど、ハンドルや操縦桿から手を離すことなく瞬時に時刻を知ることが求められるプロフェッショナルのため、長袖のオーバーオールやパイロットジャケットに覆われないクロノグラフを作ろうと考え “カフバスター”と呼ばれる時計を生み出した。扱いやすいようにケース上部にプッシャーが付き、左右非対称のデザインによって時計の一部が手の甲にかかるため、袖に隠れることがなく、一目で時刻を確認できるのが特徴だ。
カフバスター・スプリントは、このデソトスが生み出したオリジナルモデルからデザインを継承しつつ、鮮やかなカラーリング(6色展開)、文字盤上部に配置されているリューズとクロノグラフボタンなど、現代的なひねりを加えている。
316Lステンレススチール製で、ケースサイズは 37.5mm、厚さ12mm。サファイアコーティングとARコーティングを施した硬化 K1クリスタル風防を採用し、100m防水を備える。セイコー製のメカクォーツムーブメント、Cal.VK64を搭載し、販売価格は349米ドル(日本円で約5万円)だ。
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ストラトン・ウォッチ・カンパニー
スペチアーレ
この時計はブランドオーナー兼デザイナーのカイルが所有している、1977年に販売されたアルファロメオ・アルフェッタGTからインスピレーションを得ており、ケースバックにアルフェッタのタコメーターを再現したエッチングが施されている。
印象的なのが70年代の時計を彷彿とさせるテレビ型のクッションケースだ。ケースは角を丸くした横長の長方形で、クロノグラフのサブダイヤルもケースに合わせて四角いフレームを採用。急角度のチャプターリングにはタキメータースケールが設置されている。
ムーブメントは2種類がラインナップされており、スイスのETA社製自動巻きムーヴメントCal.7750、またはセイコー製のメカクォーツムーヴメントCal. VK67を選択することができる。
文字盤デザイン、ケース仕上げなど、現在17種類のバリエーションがラインナップされており、 316Lステンレススティール製ケースはサイズが 42mmで、厚さは自動巻きが15.9mm、メカクォーツムーブメントだと13mm。ねじ込み式リューズにドーム型サファイアクリスタル風防を採用し、100m防水を確保している。販売価格は自動巻きモデルが1199米ドル(日本円で約17万2000円)。メカクォーツモデルが 449米ドル(日本円で約6万5000)だ。
》Straton Watch Company(ストラトン・ウォッチ・カンパニー)
公式サイト
https://www.stratonwc.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
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