男がミリタリーウオッチに憧れるのはなぜなのか。機能性を追求し、無駄をなくしたデザインに洗練された印象を感じるのか、ミリタリーウオッチはとにかくカッコいい。そこで初めてミリタリーウオッチを触るユーザーに向けて、失敗しない機能と選び方、おすすめモデルを3本紹介する。
ミリタリーウオッチの定義
まず、ミリタリーウオッチというと世界観はわかりやすいものの、実は正確な定義が難しい。厳密には軍用に開発され、実際に使用されているモデルを表すのであろうが、そうなると現実的には中古の放出品だけとなる。そのため、実際に兵士が使用していた支給品を民生化したものや復刻版、そうした実績のあるブランドから意匠を受け継いだモデルがミリタリーウオッチとして扱われている。単なるデザインのことではなく、そうした背景があるブランド・時計をいう。
復刻版から選ぶのが実用的
ミリタリーウオッチの定義を書いたが、かつて軍に使用されていたモデルの復刻版を選ぶのが最も簡単だ。実際に使われたアンティークウオッチとは違い、日常生活防水以上や耐震装置は現行品では当然となっており、実用性では段違いに使いやすい。
当時のデザインを元に現代版に解釈したモデルも多いので、世界観をより楽しむためにもデザイン面ではオリジナルモデルに忠実なものを選ぶのがおすすめだ。また、元になったモデルが何年頃のどの軍にどう使用されたかなどの逸話を聞いてから選ぶと、より愛着が湧くし、時計に対する信頼が何割か増しに感じるのを楽しめる。
クォーツではなく機械式時計から選ぶ
初めてミリタリーウオッチを探すなら、1本目は機械式時計から選ぶのをお勧めする。なぜなら往年の名作軍用時計はいずれもオリジナルは機械式だからだ。復刻版から選ぶ以上、デザインは当時のモデルを再現していても、中身が機械式ではなくクォーツになっていると興醒めしてしまうだろう(もっとも、クォーツを採用した軍用時計もある)。
より世界観を堪能するためにも、デザインの面だけでなく中身についてもオリジナルモデルにある程度忠実であるほうが良い。デザインに合わせて中身も機械式がおすすめだ。
3針(あってもデイト表示まで)に絞る
ミリタリーウオッチの多くが3針かクロノグラフだ。しかし初めてミリタリーウオッチを手に入れようとするなら、クロノグラフはお勧めしない。実際にはクロノグラフを使う場面があまりないことと、オーバーホールほかメンテナンスの料金がかなり高くなるからだ。
クロノグラフは搭載する機構から時計自体が大きく、厚くなりがちだ。大きいのでなにかの作業中にぶつけてしまい傷つけやすかったり、重くもなるので疲れやすかったりと初めてミリタリーウオッチを手にするのには向いていない。クロノグラフのなかにも名品は多いので、慣れた状態で再度探すのをお勧めする。
さて、こうした条件で選んだ3本を次のページで紹介する。いずれもミリタリーウオッチ初心者におすすめのモデルだ。