Clemence Watches(クレマンス・ウォッチ)は、トム・クレマンスによってスコットランドで創設された日本未上陸のマイクロウオッチブランドである。幼少期、彼の父親は亡き祖父の話をしてくれたそうだ。祖父は30年前に他界していたが、彼の父親はいつも祖父の思い出の品をいくつもそばに置おいており、戦時中の勲章、写真、そしてユニバーサル・ジュネーブのゴールドの時計がその中にあった。
クレマンスの創業者であるトムは、祖父の遺品の中にあったユニバーサル・ジュネーブの時計に魅了され、幼少期に腕に着けたことをいまでも鮮明に覚えているそうだ。この時計は、父親や祖父との繋がりを感じられる貴重な瞬間へのタイムマシンであり、クレマンス・ウォッチを創設する熱意を生む、主なキッカケとなっている。
祖父の時計が彼の手首にしっくりとフィットするようになった数十年後、トムはクレマンス・ウォッチを設立した。コンセプトは、自身が魅了された祖父の時計のように、冒険心と遺産を引き継ぐことができる時計を作ることである。
クレマンスは熟練の技術をもつ世界中のパートナーからパーツを調達しているが、スコットランドの首都・エディンバラを拠点とする独立系時計ブランドとしての誇りをもって、イギリスで組み立てと、デザインを行っている。
また、イギリス時計製造組合の価値観を支持することに誇りを持ち、時計を製造する際に"クライメート・ポジティブ(温室効果ガスの削減量が、排出される量を上回ることを指す)“を徹底しているのも特徴。時計を1本販売するごとにスコットランドの森林に木を1本植樹しており、それぞれの木に“what3words”のジオロケーションが提供され、ユーザー自身が植樹された木を実際に訪問ができ、その成長をオンラインで観察したりすることが可能となっている。
今回はクレマンス・ウォッチ・コレクションから、二つのモデルを紹介する。
Clemence Watches(クレマンス・ウォッチ)
フォティック・ダイバー
最初に紹介するフォティック・ダイバーは、湖沼や海洋などの光が届きにくい水中はもちろん、日常生活でも活躍する実用ダイバーズウオッチだ。デザインは時計の黄金時代と言える1960年代〜70年代からヒントを得ており、エレガントでクラシックなデザインの中に、現代的なツールウオッチの堅牢性を備えている。
ケースは直径 39mm、厚さ10.7mmの316Lステンレススチール製で、フラットなサファイアクリスタル風防とねじ込み式リューズによって200m防水を備えている。 ムーヴメントはミヨタのハイビート自動巻き、Cal.9039が搭載されている。
残念ながら2024年7月現在は完売となっているが、販売価格は、FKMラバーストラップ付きで 449英ポンド(約8万9000円)、ステンレススチールブレスレット付きで 499英ポンド(約9万8000円)だ。
【画像】重厚なケースのフォルム、視認性抜群の夜光文字盤を拡大して見る
Clemence Watches(クレマンス・ウォッチ)
マンロー
次に紹介する、マンローは機能的なバランスを備えたフィールドウォッチ。マンローを作り出すために2021年に旅をしたそうで、スコットランドのハイランド地方でデザイン、試作、テストが実施された。6時位置のマンローのロゴは、第二次世界大戦中にイギリス国防省から依頼された“ダーティダース”の通称で知られる軍用時計へのさりげないオマージュとなっている。
ケースは直径 37.5mm、厚さ9.25mmの316Lステンレススチール製。アンチグレア加工を施したボックス形のサファイアクリスタル風防とねじ込み式リューズを装備し、150m防水を備えている。ミヨタのハイビート自動巻きムーヴメント、Cal.9039を搭載。文字盤カラーは4色で、販売価格はFKMラバーベルト付きで 499英ポンド(約9万7000円)、ステンレススチールブレスレット付きで 575英ポンド(約11万2000円)。 ステンレススチールブレスレットは、バックルに向けて20mmから16mmへシェイプされており、トゥールレス・マイクロアジャスタブル・クラスプを備えている。こちらのモデルも2024年7月現在は完売だが、クレマンスのウェブサイトによると、間もなく再入荷となっている。
【画像】二つのバリエーション、ケースやブレスレットの構造を拡大して見る
》Clemence Watches(クレマンス・ウォッチ)
公式サイト
https://www.clemencewatches.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
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