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【レトロなミリ顔がいい味】3万円台から買える40年代風の軍用パイロット時計|OUTLINEニュース no.157

今回はミリタリー顔の3モデルについてあらためて紹介してみたいと思う。ひとつ目はドイツ空軍に採用されていたナビゲーションウオッチ、Bウオッチを再現した“ミリタリーType1940”。二つ目はギャレット社のフライングオフィサーを再現した“パイロットクロノ20”。そして最後がイギリス軍向けに作られた通称ウォームスウオッチを再現した“セコンドセッティング”である。

ドイツ軍|ミリタリーType1940|手巻き

■Ref.YK20231-60。SS(38mm径)。5気圧防水。手巻き(Cal. TY2705)。4万7300円

1940年代前半の第2次世界大戦時にドイツ空軍で実際に使われていた通称“Bウオッチ”のデザインを再現したものである。当時のBウオッチには2種類あり、これはそのうちのひとつで爆撃機のナビゲーターが使用するために作られたタイプである。

そのためインデックスが1から12ではなく5から55までと“秒”表示が大きくデザインされている点に注目してほしい。当時は、爆撃機が空爆を遂行する際に、事前に偵察機によって目標地点を正確に把握する必要があった。ただそれは敵に見つからないように夜間に行われため、暗闇のなかでも秒単位での経過時間を記録しなければならなかった。そのためにあえて秒表示を大きくしたというものだ。

今回は40年代当時に倣ってあえて手巻きムーヴメントを搭載。ただオリジナルはセンターセコンドだが、6時位置にスモールセコンド仕様でデザインにアクセントを加えている。そして文字盤には最近流行りのスモーキーグリーンのグラデーションを採用。サンレイ仕上げもたらす程よい光沢感がモダンな印象を与える。

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アメリカ軍|パイロットクロノ20thリミテッド|メカクォーツ

■Ref.YK20221-3IV。SS(42mm径)。5気圧防水。クォーツ(Cal. VK64)。3万7400円

1940年代にアメリカ陸軍の士官向けに作られたことから“フライングオフィサー”の名前で知られる傑作クロノグラフから着想を得て再現。飛行中に時差を確認するための機能として、1から12までの数字が刻まれた回転ベゼルと世界23の主要都市を示すダイアルインジケーターが設けられたもので、これはパイロットからの要望で開発されたといわれている。

パイロットクロノ20thリミテッドは時差だけでなく、日本の時刻(ホームタイム)を基本として、文字盤に記載されている23のどれかひとつの都市と回転ベゼル上の数字とで、その都市の時刻も同時に表示できるようにしている。つまりGMTウオッチと同様の機能を有して実用性をさらに高めている点が特徴だ

ムーヴメントにはセイコーのメカクォーツクロノグラフ、VK64を採用。クロノグラフの計測針については、機械式のクロノグラフムーヴメントのように滑らかな動きのスイープ運針で、さらに計測停止後にゼロリセットする際も、機械式モデルのように瞬時に帰針する点は、他社製のメカクォーツにはない魅力である。

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イギリス軍|セコンドセッティング|自動巻き

■Ref. YK20222-1BKBO。SS(38mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal. MIYOTA 9039)。6万6000円

1929年に航空機のパイロット向けとして経過時間を秒単位での計測を目的にロンジンが開発した歴史的な腕時計、通称“ウィームス・セコンドセッティングウオッチ”をベースに、ロンジン以外にもオメガやルクルト、モバードなども製作し、軍用としてイギリス軍などに納入された1940年代の第2世代を再現したものである。

秒計測用の回転ベゼルと、4時位置には計測時にその回転ベゼルを固定するためのロックボタンを備えている点が当時からの大きな特徴だった。このロック機構はメーカーによって違っていたが、今作では40年代のロンジン製でイギリス軍に納入された個体の機構に倣い、堅牢に作られたタイプのものを再現している。

ムーヴメントはシチズン参加のミヨタ製で、なかでも薄型で毎時2万8800振動を誇る高性能な自動巻き式のCal.9039を搭載する。なお本来はヴィンテージ調レザーベルトが付いて定価5万5000円。写真はバンブーブレスレットをセットした特別仕様で当サイトの公式オンラインSHOPとオンタイム・ムーヴの店頭限定で販売中だ。

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「チックタック」と「オンタイム・ムーヴ」でも販売中!

時計のセレクトショップ「チックタック」と「オンタイム・ムーヴ」でも販売中。ただし、最後に紹介したセコンドセッティング×バンブーブレスの特別仕様はオンタイム・ムーヴと当サイトの公式オンラインSHOPのみ。
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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

 

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