今回は夏にぜひ着けて楽しんでほしいコンプレダイバー1960のネイビー文字盤をあらためてクローズアップする。実のところコンプレダイバー自体はアウトラインのコレクションの中で一番にお買い得なモデルである。なぜお買い得なのかは後半に触れるとして、まずはこのモデルの魅力と特徴について簡単に紹介させていただく。
コンプレダイバー1960は、その名称のとおり1960年代に開発された防水ケースであるコンプレッサーケースを使って作られたダイバーズウオッチ、通称コンプレッサーダイバーを再現したものである。
ロンジンやジャガー・ルクルトといった名だたるスイスの時計メーカーも当時のコンプレッサーケースを利用して製品化していたほどで、このケースの存在がダイバーズウオッチ開発に拍車をかけたと言われるほど重要な存在だった(歴史的な背景など詳しくはアウトライン公式サイトを参照ください)。
最大の特徴は経過時間を計測するためのスケール付き回転ベゼルがロレックスのサブマリーナーのように外ではなく風防ガラスの内側にある点だ。操作は2時位置にあるボタンを回して行う。60年代当時のコンプレッサーケース自体がこの構造だったために、ジャガー・ルクルトやロンジンが製造したものもすべて同じ仕様だった。
さて、今回取り上げたこのコンプレダイバー1960のネイビー文字盤タイプだが、文字盤にはサンレイ仕上げを施しているため光の加減で濃淡が生まれ表情が若干変わる。そして、ケースはそんなメタリックな文字盤に合わせて鏡面のポリッシュ仕上げ(ブラック文字盤はサテン仕上げ)を施し、よりモダンな印象に仕上げた。
文字盤に12個あるくさび形のインデックスに塗布したルミノバ夜光塗料は、顔料を加えてアイボリー調の色合いに変更し、焼けたアンティークの味わいを表現している。ただ、顔料を加えたことで夜光自体の効果がだいぶ薄れていることをご了承いただきたい。
なお、コンプレダイバー1960は革ベルト仕様。そのため夏に大丈夫なのかと思われるかもしれないが、裏材には合成皮革“ロリカ”を使用している。これはポリウレタンをベースに極繊細繊維で構成された素材で水や汗に強い。そのため少々の汗なら問題ないと思う。
ちなみに、革ベルトにはイタリア植物タンニンなめし革協会が品質を保証したトスカーナレザーを使ったネイビーのヴィンテージ調レザーベルトを採用、アンティークな風合いを強調すると同時にファッション性を高めた。
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そしてここからが本題のなぜお買い得かという点である。このコンプレダイバー1960に搭載しているムーヴメントがその理由である。
搭載するシチズン傘下のムーヴメントメーカー、ミヨタ製の自動巻きキャリバー9015は、同社が販売する8000番台と9000番台のうちプレミアム機に位置付けられる9000番台の機械だ。そのため毎時2万8800振動のハイビートで精度も非常に高く、ヨーロッパやアメリカなど海外でも信頼性の高い機械式ムーヴメントとしてマイクロブランドの多くが採用する優秀な機械なのである。
正直なところミヨタ9000番台で、しかも税込みで4万円台という価格設定は、資材高騰など様々な要因から上昇傾向にある現在ではかなり難しいと言えるだろう。もちろん公式サイトだけの直販という点も大きい。
ぜひ、この夏のファッションの差し色としてコーディネートを楽しんでみてはいかがだろう。
【SPEC】
●型番:右: Ref.YK18001-2(ネイビー)、左:Ref.YK18001-1(ブラック)
●素材:(ケース)316Lステンレススチール、(ベルト)イタリア製ヴィンテージ調レザー(ほかにスタンダートなタイプも付属する)、裏材は汗に強い合成皮革ロリカ製
●サイズ:ケース径40mm、ケース厚12.7mm
●防水性:10気圧防水(日常生活用強化防水)
●駆動方式:自動巻き(日本製Cal.MIYOTA9015 /24石/毎時2万8800振動(日差-10秒+30秒)/最大巻き上げ時40時間パワーリザーブ/ハック機能搭載)
●装備:逆回転防止機能付き回転インナーベゼル、デイト表示、シースルーバック
●希望小売価格:各4万9500円(組み立て:日本)
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Ref.YK18001-1(ブラック)
Ref.YK18001-2(ネイビー)
【公式WEBサイト】
https://outlinewatches.tokyo/collection/diver1960
菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa
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