“感情を呼び起こすことは時を告げることに劣らず、時計の重要機能である”
チェルカス創業者:ヴァシリー・クイバル
Cherkaswatches(チェルカス)はスイスのジュラ山脈の中心に位置する町タヴァンヌを拠点とする、日本未上陸のマイクロウオッチブランドである。
創設者であるヴァシリー・クイバルはソ連で生まれた人物で、幼少期から航空宇宙事業、SFや未来技術のイメージに魅了され、学生時代には自動車デザインを学び、その後、広告や映像制作の分野で成功を収めた経歴を持つ人物だ。
時計への情熱を持ち続けてきたクイバルは、広告や映像製作でキャリアを形成した後に、新たな旅に出ることを決めて、自信の時計ブランドであるチェルカスの創設することになる。クイバルがチェルカスを立ち上げたのは、時計デザインに対するビジョンを共有し、同じ嗜好を持つ人々にインスピレーションを与えるためでもあったそうだ。
チェルカスの時計は、現代的なデザインで、信頼性が高く、快適で使いやすい計測装置で、かつ生き生きした感情を呼び起こすユニークなデザインを特徴としている。
今回は、チェルカスのファーストコレクションである、モジュール・ワンを紹介する。
Cherkaswatches(チェルカス)
モジュール・ワン
モジュール・ワンは、ケースサイズ 38mmのグレード5 チタンケースを用いており、ひと目でそれとわかる現代的デザインとなっている。フローティングベゼルがデザインの重要な要素となっており、横から見るとまるで宇宙船のような印象を感じさせる。ケースを水平に分割することで、ベゼルとケースの主要部分を視覚的に分離して立体感を高め、同時にミニマルでコンパクトな外観を実現している。
デザインコンセプトの要でもある一体型ラグも、ミニマルで未来的な雰囲気を醸し出している。 ケース上部と下部の開口部は、ベルトを通す構造になっている。
文字盤はマットブラックに仕上げの2層構造サンドイッチデザインで、時針と分針は見えないビスで接続され、縦方向にブラッシュ仕上げが施されている。
【画像】12時にリューズを設置したケース、光り輝く夜光文字盤、こだわりのパーツを拡大して見る
文字盤の6時位置には、1957年10月4日に打ち上げた世界初の人工衛星スプートニクのアイコンがチェルカスのロゴとともにデザインされている。これは宇宙探査の黎明期に対するブランドの敬意を象徴したもので、この時代は世界に多くの新発見と展望をもたらし、チェルカスの時計作りのインスピレーションとなっている。
リューズは12時位置に設置され、左右対称のシルエットを保ち、右利きでも左利きでも操作しやすいデザインとなっている。 風防はボックス型のサファイアクリスタルで、近未来なデザインに、50年代テイストのオーセンティックな雰囲気を添えている。
スーパールミノバが塗布され、分針にはストライプ、時針にはサークルが施されており、時計の針はブルーに、アワーマーカーはグリーンに光る。また、モジュール・ワンのミニマルな文字盤デザインを純粋に楽しみたいというユーザー向けに、ブランド名やロゴがない文字盤モデルもラインナップされている。
ケースサイズ 38mm、厚さ 13mmのグレード5チタン製ケースで、 ムーヴメントは、セリタ SW300-1 自動巻きムーブメントを搭載。防水機能は 100mを備えているので夏場でも安心して着けられそうだ。
高品質のシートベルト素材を使用したブラックベルトには、チタン製バックルが付属し、アジャスト・アンド・ファスナー・システムにより、簡単に長さの調節が可能。さまざまな手首のサイズに対応できる。
モジュール・ワンは300本限定生産で2024年7月上旬現在、予約を受け付け中。25年 第1四半期から第2四半期の納品予定となっている。 モジュール・ワンの販売価格は2550ユーロ(日本円で約43万7000円)だ。
》Cherkaswatches(チェルカス)
公式サイト
https://www.cherkaswatches.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/