精密機器である時計にとって、水や汚れは磁気の影響や衝撃と並んで注意すべき脅威のひとつ。そんな水のトラブルを気にせずに使つことができるのが、日常生活では遭遇しない極限の環境を想定して作られたダイバーズウオッチだ。
ダイバーズウオッチといえば水中での使用を想定した高度な防水性が最大の特徴。改めてダイバーズウオッチの定義についても解説しておこう。プロ仕様のダイバーズウオッチは、主に二つ公的規格で定義が設けられている。
まず、日本国内で製品の品質などを標準化するJIS(日本産業規格)規格。ダイバーズウオッチに関しては“JIS B 7023(潜水用携帯時計の種類及び性能)”が定められており、空気ボンベを使用したスクーバダイビングに対応する1種潜水時計は100m~200m防水、ヘリウムと酸素の混合ガスの呼吸気体を利用する深海での飽和潜水に対応する2種潜水時計は200m~1000m以上の防水性を備えることが定められている。
もうひとつのISO(国際標準化機構)は、日本国内だけでなく国際的に製品の品質を標準化するために定められている規格だ。プロユースのダイバーズウオッチはISO 6425として規定されており、100mの潜水に耐える防水性(表記する防水性の125%の水圧に耐える性能を有する)、時間を管理するシステム(逆回転防止ベゼルなど)の装備に加えて、厳格な規定が設けられている。
陸上で日常使いすることを前提に選ぶなら、そこまでスペックに神経質になる必要はないのかもしれない。しかし、優れた防水性がダイバーズウオッチの魅力のひとつであることを考えならば、情報として知っておいて損はないだろう。
今回は5万円以下の手頃なモデルから、編集部おすすめの3モデルを紹介していく。、デイリーユースで大いに活躍してくれる良作揃いなのでぜひチェックして欲しい。
【編集部おすすめダイバーズウオッチ_其の1】
ORIENT(オリエント)
オリエントマコ40
新しいサイズのケースとシンプルなデザインを採用したオリエントマコ40の日本限定モデル。写真のラベンダー文字盤のほかにライラック文字盤にラインナップされており、各色が限定200本で発売されている。
「20気圧の日常生活強化防水、安定した高精度と信頼性を実現する自社製の自動巻きムーヴメントといった“オリエントマコ”シリーズの基本性能はそのままに、従来のスタンダードであった41.8mmのモデルに比べて、さらにコンパクトな直径39.9mmのケースを採用。リューズガードを省いたことでシンプルで軽快な印象となっている。日付け表示(従来はデイデイト)のみのシンプルで視認性の高い文字盤、あえてカラーリングを施さず素材の質感を生かしたベゼルにより、明るいラベンダーカラーの色彩が際立って見える。優れた防水性能と数量限定ならではのデザインを兼ね備え、満足度の高い仕上がりとなっている」
【問い合わせ先】
オリエントお客様相談室
TEL.042-847-3380
【画像】数量限定生産のカラー文字盤とソリッドなベゼルをもっと見る
【編集部おすすめダイバーズウオッチ_其の2】
SPINNAKER(スピニカー)
レック
“WRECK(英語で難破船の意味)”というの名のとおり、パーツにヴィンテージ加工が施されたデザインが特徴。2022年1月に限定発売し、瞬く間に完売し、多くの要望を受けて再販が決定した。
「イタリア発の時計ブランド、スピニカー。スイスやドイツなど時計立国はほかにもあるが、イタリアブランドの特徴と言えるのがファッション性の高さと作り手の遊び心を感じるディテールだろう。本作は逆回転防止ベゼルや200m防水を備える本格派ダイバーズウオッチでありつつ、“海の荒波に揉まれた人工物”を再現するために、トーチランプや酸浴、酸化などを使ってヴィンテージ加工を採用。針やインデックスといった細かな部品まで手作業で処理を行うことで、海中から発見されたような経年変化を表現している。周りとひと味違う個性的なモデルを探しているならば、チェックしておいて損はないはずだ」
【問い合わせ先】
ウエニ貿易
TEL:03-5815-3277
【画像】手作業でエイジング加工、文字盤とベゼルを拡大して見る
【編集部おすすめダイバーズウオッチ_其の3】
UNDONE(アンダーン)
アクアディープ サブマージ
鮮やかなオレンジラバー、ブラックに染め上げられた強靭なチタンケース。潜水服からインパイアされた、50気圧防水の本格ダイバーズウオッチ“アクアディープ”の最新モデル。
■Ref.AQD-DEP-SMG。TI(43mm径)。50気圧防水。自動巻き(Cal. NH36)。6万9300円
「500m防水を備えたプロ仕様ダイバーズウオッチの最新モデル。従来のモデルと同じく軽量、低金属アレルギー、海水や塩素などに対する高い耐食性を誇るグレードIIチタンを採用し、金属表面にナノレベルの薄膜を作ることで耐傷性を高めるDLCブラック加工を追加。ツールウオッチとしての完成度がさらに高められている。多面カットされたケースの造形や岩肌を思わせるテクスチャー文字盤などデザイン面でも見所の多いモデルだが、何より驚きなのが6万9300円という価格。自社でパーツの開発や加工を行えるアンダーンの強みを生かして、他を圧倒するコストパフォーマンスを実現している」
【問い合わせ先】
アンダーン・ジャパン
TEL.03-5774-1447
【画像】2層構造の文字盤、多面カットのチタンケースをもっと見る
文◎Watch LIFE NEWS編集部
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