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チューダー2024年新作に復活して驚いた初代GMTマスター II に使われた通称“コーク”|菊地吉正の【ロレックス通信 No.252】

左はチューダーから登場したコークベゼルのブラックベイ 58 GMT。右は本家ロレックスのコークベゼル。1990年代のGMTマスター II 、Ref.16710

ロレックスの2024年新作モデルとして出てほしい候補に挙がっていたGMTマスター II の黒赤ツートンベゼル、通称コーク(以降コークベゼル)。それが何とチューダーの新作ブラックベイ 58 GMTに採用されて話題を呼んだ。そこで今回はロレックス GMTマスター II のコークベゼル仕様について簡単におさらいしてみたいと思う。

ちなみに黒赤ベゼルの愛称コークとは、青赤ベゼルがペプシベゼルと呼ばれるのと同様にアメリカの炭酸飲料を想起させることから、愛好家の間でこう呼ばれるようになったものだ。

さてコークベゼルだが、時針が単独で動かせるようになったGMT付きムーヴメント、Cal.3085が開発されたことで新たに1982年に登場したGMTマスター II の最初のモデル、Ref.16760から初めて採用された。

当時併売されていた、時針が単独可動できない旧来からのGMTマスター第3世代、Ref.16750がペプシベゼルだったことから、GMTマスター II にはそれと区別しやすいように黒赤が使われたのである。

その後継機として88年に登場したRef.16710にも受け継がれ、加えて黒の単色ベゼルと青赤ベゼルの3種類展開となった。2007年のモデルチェンジに伴ってコークベゼルは姿を消すことになり、以降コークベゼルだけはいまだに一度も復活していない。

そのため、2024年の新作として復活を期待する声も挙がっていたが、結果は黒×グレーのツートン。皮肉にもコークベゼルはロレックスではなくチューダーでの登場となったというわけである。

一方のブラックベイ 58 GMT。コークベゼルといっても赤はバーガンディレッドで、ロレックスのそれよりもワインレッドに近い色味となるようだ。ほかにも39mm径のケースやドット秒針。リベットスタイルのブレスレットなど古典的なディテールを備えるなど魅力も多い。

しかも価格は国内定価64万3500円。頑張れば手の届く価格というのも、とても魅力なのではないだろうか(詳細は関連記事を参照)。

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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