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【昭和レトロな腕時計、ポストヴィンテージの名作に浸る】IWCの異色モデル“GSTアラーム”の魅力を深掘り

休眠していた名門の復活とともに機械式時計の価値が再評価され始めた1980年代後半の時計界。機械式時計復活の要因となったのがクォーツのカウンターともいえる古典的な機構や伝統的な職人技術であったのは広く知られているが、90年代に入ると機械式時計の需要が高まるにつれてニーズも多様化し、各社がスポーツモデルの開発に力を入れるようになっていく。

この時代にはブランパンのトリロジー、ジラール・ペルゴのGP7000、ゼニスのレインボーフライバックなど、アイコンといえるモデルがいくつも輩出されているが、そんな中で突出した完成度の高さと人気を誇るのがIWCのGSTシリーズだろう。

GSTシリーズは80年代にIWCを支えた屋台骨であるポルシェデザイン by IWCにかわり、97年に登場したポストヴィンテージのIWCを代表するスポーツコレクション。ミニマルかつ洗練されたスタイル、先進素材や人間工学を取り入れた革新的なウオッチメイキングなど、ポルシェデザイン by IWCの製造で培った経験が随所に継承されており、ケースとブレスレットを一体化させた装着感の高い設計、当時は加工の難しい素材であったチタンを採用したコレクションは、生産終了から16年を経た現在も根強い人気を獲得している。

今回紹介するGSTアラームは、クロノグラフ、ダイバーズ、スプリットセコンドクロノグラフ、パーペチュアルカレンダーなど多彩なコレクションを展開したGSTシリーズのなかでも、異色の存在とされるモデルだ。


IWC(アイ・ダブリュー・シー)
GSTアラーム

【画像】先端が赤いアラーム針やサカナのレリーフを刻んだリューズに注目

アラームウオッチといえば、世界で初めてアラーム機構搭載の腕時計“クリケット”を製作したヴァルカンと、ジャガー・ルクルトが名手として知られているが、このモデルは、当時IWCと提携関係にあったジャガー・ルクルト製のキャリバー・916をベースにしたキャリバー・917を搭載。

ムーヴメントにはアラーム用のゴングが装備されており、文字盤中央の赤くマーキングした針で、設定した時刻に裏ブタの中央に設置された突起を叩くことで、10秒~15秒ほどにわたって振動とアラーム音で時間を知らせてくれるのだ。

アラームという機構の面白さ、シンプルで完成された意匠に加え、製造期間がわずか3年ほどと希少性が高く、コレクターズモデルとして現在も高い人気を維持している。細かいディテールは画像ページを参照していただきたい。

 

文◎Watch LIFE NEWS編集部

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