ここに取り上げたアウトラインのレクタンギュラー138BLは、デッドストックのスイス製手巻き時計を再生させた “1980リビルドシリーズ”のひとつである。
リビルドとは、再構築(する)、再建(する)するという意味で、どちらかというと古い名車などで使えないパーツなどを作り直して新たにクルマとして再生させるときなどに使われることが多い。
つまり、レクタンギュラー138BLも同様で、ムーヴメントとケースはオリジナルだが文字盤と時分秒針を新たに作り直したものなのだ。ただし、ベースとなった時計は1980年代に日本で販売されていたスイス製。その中で一度も販売されずデッドストックとして発見されたもの。つまり使用されていない新品というわけである。
さて、このモデルの魅力はそもそもケースの作りにあった。側面に段差を設けた通称ステップドタイプのケースが採用され、加えて12時と6時位置にはさりげなくちょっとしたオーナメントがあしらわれるなど、時代を感じさせる造形が施されていた。しかも、このオーナメント自体は別体で取り付けられたもので、作りも凝っている。
そのため文字盤デザインは、この装飾的なケースに対してそれをおさえる意味で、あえて地色にブラックを採用しつつ、インデックスに太めのアラビア数字を使い、文字盤デザイン自体を男っぽく存在感のあるものにした。
角形時計の場合にドレスウオッチとしてフォーマルなイメージが強いからなのか、文字盤にはホワイトやシルバーなど白っぽい色を採用することがほとんどで、ブラックを使うことは意外に少ない。その意味では新鮮なうえに意外にも全体が引き締まっていい感じに仕上がっていると思う。
さて、搭載するのは小振りな手巻きムーヴメントを得意とし、1940年代にはロレックスの手巻きモデルにも採用されていたほどの歴史あるムーヴメント専業メーカー、フォンテンメロン社の手巻きキャリバーFHF138。未使用のデッドストック品ではあるが、そのまま使うのではなくすべてオーバーホールを実施し、調整を行なったうえで組み上げられている。そのため30年以上経ってはいるものの、ムーヴメントについては1年保証が付く。
【商品データ】
アウトライン・レクタンギュラー138BL。(ゴールド)Ref.20203-5。(シルバー)Ref.20203-4。ともに真鍮ケース(メッキ、裏ブタはSS)。ケースサイズは23.5×37mm。非防水。手巻き(Cal.FHF138)。各13万2000円
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アウトライン レクタンギュラー138BL(シルバー)
アウトライン レクタンギュラー138BL(ゴールド)
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