UTINAM(ユーティナム)は時計を含めた機械仕掛けの芸術作品を製作する日本未上陸のマイクロブランド。 フィリップ・ルブルーによって1993年に設立されたユーティナムは、フランス東部、ジュラ地方の中心に位置する時計製造の中心地、ブザンソンを拠点としている。 フィリップ・ルブルーは、30 年前に定住を決めた街、ブザンソンに今も住んでおり、腕時計、クロック、オートマタなど、メカニカルでキネティックな芸術作品で、単純な計測を超えた時間のビジョン、彼が言うところの“自律的で無限に繰り返される自由な時間のビジョン”を表現している。
創始者のルブルーはアーティストでクリエイターで発明家であり、デザイナーでもある。 自由な発想の持ち主であるルブルーは、直感に頼った機械仕掛けの芸術作品を創作し、時間と生活との関係を問い続けている。 ユーティナムでの創作において、ルブルは創造性と革新性を融合させ、フランス時計製造の中心地であるブザンソンにさらなる注目を集めたいと願っているそうだ。
ルブルーが構想したユーティナムの時計はすべてブザンソンのグランド通り117番地と119番地にあるユーティナム・マニュファクチュールで命を吹き込まれる。 この工房では時計職人と機械専門家のチームが、素材、音、フォルム、色を丹念に融合させながら、唯一無二のものにすることを目指し、製品の設計、製造、組み立てを行っている。
ディスラプティヴ・クアドロポッド・ウォッチ・コレクション
クアドロポッド・ウォッチの印象的な点は長方形のフォルムで、丸いが突出もしていないエレガントなカーブを描くフォルムは、まるでUFOのようだ。 文字盤とクリスタル風防は、3時と9時位置でカーブを描いている。
文字盤は全体にアール・デコ調のデザインを感じさせるデザインで、リーフ型の時針と分針の先端はアイボリーホワイトとなっており、針型の秒針の先端はロリポップ型になっている。ケースはサイズ43×38mmでステンレスチールとピンクゴールドの二つの素材を選択可能。サファイアクリスタル風防を設置し、ミヨタ製の自動巻きムーヴメントが搭載されている。文字盤はブルー、アイボリー、ローズの3色展開で、各88本の限定生産となっており、販売価格は1720~1993ユーロ(約28万~32万4000円)。
フィリップ ルブル メテオライト ケープ ヨーク
45億年前の隕石の破片を文字盤に採用した特別なモデル。隕石はジュラ地方で切断、研磨、機械加工されて時計の文字盤に仕上げられている。メテオライトは92% の鉄と 8% のニッケルで構成され、微量のゲルマニウム、ガリウムを含み、結晶化した金属が生み出す美しい模様が唯一無二の存在感を放っている。文字盤の12時位置にビッグデイト表示、6 時位置にデュアル タイム ゾーンを備えている。オプションとして、この時計には、ブザンソン天文台のクロノメーターサービスによって発行された真正性証明書とクロノメーター品質を証明する“Tête de vipère”ホールマークが付属している。世界限定8本で価格は14700ユーロ(約233万円)だ。
KB2 レギュレーター付きクロック
ルブルーはブザンソンの職人たちとも頻繁にコラボレーションを行い、建築家であり時計職人でもあるアラン・シルバースタインとも “コントワズ・バウハウス2”と名付けられたクロックを製作している。この個性的なクロックは、オフセンターのスモールセコンド表示で革新性をアピールし数々の賞を受賞。高い評価を得ているユーティナム社製ムーヴメントを搭載し、限定生産88本となっている。 価格は29700ユーロ(約483万円)。
》UTINAM(ユーティナム)
公式サイト
https://www.utinam-boutique.fr/en/
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
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