「高級ファッションブランドの腕時計ってホントのところ、どうなの?」「時計メーカーの作るものとどんな違いがあるの?」。時計やファッション好きの方々なら、一度は思ったことがあるかもしれない。ほかとは一線を画す斬新なデザイン性や、ハイブランドならではのハイセンスな輝きを放つ時計に目を奪われたものの、実際に購入には至らず…。そんな経験をしたことはないだろうか。筆者もそのひとりで、高級ファッションブランドにフォーカスした腕時計のレビュー記事を書くに至った。
誰もが知る高級ファッションブランドの腕時計にスポットを当てた実機レビュー連載。初回はイタリアを代表するブランド、グッチ(GUCCI)の時計を紹介する。
〈グッチの時計って?〉
1972年にウオッチ分野に進出して以来、50年以上にわたり現代性と伝統、革新とクラフツマンシップ、ファッションとエレガンスを融合させたアイコニックな製品を生み出し続けるグッチ。その時計は一貫してスイスメイドであり、すべての製品がラ・ショー・ド・フォンにある自社ファクトリーで組み立てられている。クオリティの高いコンポーネントを使ったスイス時計製造技術の伝統、グッチならではのディテール、そしてイタリアの優れた技で作られる時計はファッションブランドの域を越え、時計業界にも一目置かれている。2021年春には待望のハイウオッチメイキングを発表。ブランド初のオリジナルムーヴメントを搭載した代表ライン“GUCCI 25H”などが注目を集めている。
G-タイムレス マルチ ビー
●個性的でかわいらしい文字盤
【G-タイムレス マルチ ビーのスペック&バリエーションをもっと見る】
現行主力ラインの“G-タイムレス”から、筆者の目に止まったターコイズブルーの文字盤が印象的な“マルチビー”をセレクト。文字盤には天然石のターコイズストーンを使用しており、マトリックスと呼ばれる黒模様が、個体ごとに異なる魅力を醸し出している。モデル名にもなっているビー(ハチ)のかわいらしいモチーフと文字盤外周のデザインもユニークだ。
●ケースバックにも大きなハチの刻印が!
裏ブタには素材や防水性、スイス製であることの証明に加え、大きなビーのモチーフと“GUCCI”の文字が刻印されている。同じ“G-TIMELESSマルチビー”のクォーツモデルのほか、自動巻きモデルはシースルーバックでムーヴメントが見えるタイプも存在する。
●男女問わずに着用できる軽量さとサイズ感
男女ともに着けられる32mmというサイズ感で、完全お揃いのペアウオッチにも使えそう。(とは言え平均的な男性の腕回りだと少々小さく感じるかもしれない。細身の方や小振りなサイズ感が好きな方にはオススメできる)
クォーツ式でケース厚も約8mmと薄くかなり軽量なため、長時間の着用でも疲れにくいと感じた。
西欧諸国で幸せのシンボルとして大切にされてきたハチがデザインされたグッチの“マルチビー”。カラーダイアルのなかでも高い人気を誇るターコイズブルーの文字盤の存在感は抜群で、個性的なデザインと小振りなサイズ感が良かった。本音を言うならば、21万1200円という価格についてはクォーツ式なこともあり、もう少しお手頃だとうれしいところだ。次回は同じくグッチから、30気圧防水の本格機械式ダイバーズウオッチを紹介予定。
【問い合わせ先】
グッチ ジャパン クライアントサービス
TEL.0120-99-2177
文◎市村信太郎(編集部)
写真◎水橋崇行