LANG1943(ラング1943)はゲオルク・バルトコヴィアクが2022年にドイツで設立した、日本未上陸の独立系マイクロウオッチブランドである。 起業家でもあり30年以上時計業界で活躍してきたバルトコヴィアクは、友人であり師であった先見の明を持つ時計師、故ゲルト=リュディガー ラングに敬意を表し、Lang 1943を立ち上げた。
ゲルト=リュディガー ラングは1943年、ドイツのブラウンシュヴァイク生まれで、クォーツ革命後の1980年代に機械式時計を復活させたエリート時計師のひとりで、クロノグラフ製作のエキスパートでもある。 彼の業績は数多いが、時計ブランドの“クロノスイス”を設立したことで知られている。
同じくドイツ出身であったバルトコヴィアクは20年前にラングと出会い、すぐに親交を深めた。ラング1943の礎を築くにあたり、2人は時計製造の黄金時代に敬意を表しつつ、ノスタルジックなデザインと現代的な美学を結びつけるというビジョンを共有していたそうだ。
ゲルト=リュディガー ラングの時計職人としての仕事には、伝統への深い敬意と機械式時計の永続的な価値に対する強い信念が礎にあった。この価値観はラング1943にも継承されている。ドイツでデザインされスイスで製造されるラング1943の時計は、1940年代の機械式フィールドウオッチに影響を受けている。クリアでクラシックなケースラインと見やすく機能的な文字盤が特徴となっており、ムーヴメントはマーヴィンのオールドムーヴメントが搭載されている。 このマーヴィンのオールドムーヴメントはラングが1990年代に入手し大切にストックしていたもので、ラング1943の熟練職人により、入念に修復、改修、装飾、修正を施して時計に搭載されている。
今回はラング1943コレクションから二つのモデルを紹介する。
LANG1943(ラング1943)
フィールド ウォッチ エディション ワン
最初に紹介する“フィールド ウォッチ エディション ワン”は、シンプルでありつつケース、文字盤の作りに関して細部にまでこだわり抜いたフィールドウオッチ だ。 ケースサイズ 39mmのラウンドケースはスチール製でストレート&サーキュラーのブラッシュ仕上げが施され、ノッチ付きリューズとドーム形のサファイアクリスタル風防が設置。ケースは堅牢かつ質実とした造形が与えられており、いかにもドイツブランドらしい雰囲気を漂わせる。
スモールセコンドのサブダイヤルと伝統的なレイルウェイスタイルのチャプターリングを配した文字盤はサンレイ仕上げのフュメダイアルに仕上げられ、特注されたシリンジフォルムの時針と分針、インデックスにはオールド・ラジウムカラーを模したスイス製スーパールミノバが塗布されている。
ムーヴメントはマーヴィンのCal.700をベースにした手巻きのCal.L43.1を搭載。ブラウンのカーフスキンレザーベルトと、名だたる高級車の内装に採用されている高級素材のアルカンターラを裏地に使用したベージュの織物ベルトが付属している。 販売価格は3500ユーロ(約56万円)だ。
LANG1943(ラング1943)
レトロコレクション
次に紹介する、レトロコレクションは、1980年代の大胆なスピリットをオマージュしたコレクションだ。フィールド ウォッチ エディション ワンの基本デザインをベースにしつつ、カラフルな蛍光色を取り入れることで個性をプラスしている。直径39mm、厚さ8.4mmのステンレススチールケースにはストレート&サーキュラーのブラッシュ仕上げが施され、文字盤はサンドブラスト仕上げとロジウムコーティングが施されている。
文字盤のバトンインデックスにオレンジまたはグリーンのスイス製スーパールミノバが塗布されたシリンジ・フォルムの時針と分針が特徴的である。 ムーブメントはマーヴィン700ムーブメントをベースにした独自の手巻き機械式ムーブメント、キャリバーL43.1が搭載。
オレンジのライニングが施されたオレンジのハンドメイド・レザーストラップまたはライムグリーンのライニングが施されたグレーのハンドメイド・レザーストラップが付属。 各25本限定で、販売価格は3500ユーロ(約56万円)。
》LANG1943(ラング1943)
公式サイト
https://lang1943.com/
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
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