数年前まで、時計について何も知らなかった私。「時計に何百万もかけるなんて信じられない…」そんなことも思っていました。
しかし、高級時計に携わる仕事を通して(そして、Watch LIFE NEWS編集長菊地さんからの学びを経て笑)時計の奥深さや、それぞれの方が大切に、思いを込めて時計を所有していることを知りました。「トレンドに流されず、自分のスタイルを持ち、次世代へとつないでいくこと」はとても素敵なことです。
この連載企画では、そんな高級時計の世界に興味をもった20代の女性が、素敵な時計を身に着けているおしゃれな人々を紹介します。
本日はファッション企業に勤める春宮健太郎さんの時計を取り上げます。
春宮健太郎(Kentaro Harumiya)
1993年、神奈川県川崎市生まれ。
大学在学中に海外に本拠を置くカルチャー系メディアでの業務をはじめ、そのまま編集者の道へ。その後フリーランスや大手企業での勤務を経て、現在はとあるファッション企業に勤務。インドアなアウトドア派。旅と運転と犬が好き。猫も好き。
Instagram: @kentaroharumiya
さて、そんな健太郎さんが着けている時計は?
「ロレックスのエクワン(エクスプローラーⅠ)です」
この時計はいつ購入されたのですか?
「2023年の5月に買いました」
この連載でも度々登場しているロレックスのエクワン。選んだ理由は?
「僕の場合は普段の生活の中でスーツとかジャケットを着るタイミングがほとんど無いのですが、普段ふらっと外に出かける時も、出張や旅で遠くに行く時も、例えばおしゃれしてちょっといいご飯屋さんにデートに行く時も付けられそうな(いい意味で)地味な見た目が気に入りました」
たしかに、どんなスタイルにも合わせやすい時計かもしれませんね!
他の時計と悩んだりしましたか?
「存在感のある大振りな時計もかっこいいとは思うけど、いまの自分じゃまだ時計に負けてしまいそうな気がして。手首も細めだから36mmの小振りなサイズ感もいいなって」
時計選びは手首の太さや、腕や体格とのバランスも重要なポイントになりますよね。
「なにより男子心をくすぐられる“冒険家”という名前が気に入ってて(笑)。お店ではコンビと悩みましたが、ファーストロレックスはド定番でいこうと決めてオイスタースチールにしました」
なるほど! 2023年の5月に購入したということですが、なぜそのタイミングだったのでしょうか?
「いま30歳なのですが、自分へのご褒美というか記念品として三十路の誕生日を数カ月後に控えたタイミングで買いました」
30歳の記念だったのですね。何かの節目のタイミングで購入する人は多い印象ですが、もともと買うと決めていたのでしょうか。
「いや、30代以降の自分の気合いを入れる意味もありましたが、元々あまり腕時計にそこまで興味を引かれるタイプでもなかったし、腕時計を買おうと決めていたわけでもなくて。ただ腕時計を買うならロレックス、それもエクワンがいいなってのは何となくWebサイトとかInstagramを眺めて1~2年前ぐらいから思ってました」
「時計を買う!」と、以前から決めていたわけではなかったのですね!
「あとこれは結構レアケースな気がするんですけど、購入したのは思いも寄らないタイミングで」
思いも寄らない、というと?
「平日のお休みの日に友達が働いてるコーヒー屋でダベって、それから銀座の松栄堂にお香を買いに行って。1、2時間ぐらいの空き時間ができたときにロレックスの正規店が目に留まり、ふらっと入ってみたときに出合って腹を括りました」
思いつきで入ったお店で、速攻購入を決めたと…!
「はい。ロレックスの正規店自体に入店したのもそれが初めてでした」
なんと…!(笑)それはすごい決断力ですね。
「白Tとジーンズに、スニーカーで手ぶらというラフな格好だったし、本当に『1回のぞいてみるか』ぐらいの気持ちでお店に入ったんですけどね。でもなかなか出合えないという噂だけはなんとなく知っていたし、腹を切る思いでカードを切ってお店を出ました(笑)」
なるほど。たしかに、欲しくてもなかなか出合えないという方も多いですもんね。
購入してみていかがですか?
「そんな流れで買ったものの、本当に買ってよかったと思います。すごい感覚的な表現だけど気が良いというか、普段のラフな服装でも気持ちがシャキッとするというか。人生ベストバイのひとつです」
時計を身に着けるとシャキッとする気持ち、共感する方も多いと思います!
思い切って買った時計が人生のベストバイのひとつになるのは気持ちが良さそうです。
次に狙っている時計や気になっている時計はありますか?
「まっすぐにその質問に答えるとサーフィンの時に着ける用のG-SHOCK。潮汐情報とかもわかるやつ。持っていたけど少し前に無くしてしまって(笑)」
へえー! 潮汐情報までわかるんですね。
私もたまにサーフィンをするのですが、防水のものはApple Watchしか持っていなくって。
Apple Watchの防水機能を信用しきれず…(笑)私もG-SHOCK気になります!
サーフィン用以外に気になる時計はありますか?
「いわゆる高級時計って意味では、2本目を買う予定も目標も特にないけど、次買うならコンビがいいなって漠然と思ってます。デイトジャストとか。あとはSEIKOとか日本のメーカーも渋いなあって。日本人だし」
エクワンを購入される際もコンビと迷ったって仰ってましたね。
「エクワンは現行を買いましたが、ヴィンテージも気になりはじめてます。あといつかは金無垢の腕時計が似合う男になりたいなと。先輩が持っている黒曜石文字盤の金無垢デイデイトを見せてもらったときはその色気に痺れました」
ありがとうございました!
ロレックスの正規店に初入店で即時購入。思い切りのよさに驚いた取材でした。
まだ決めたわけではないですが、私も30歳の誕生日など、何かの節目で時計を購入してみたいなとぼんやり思っています。
でも、“節目の時計”と思うと、あれこれ悩んでしまいそう。
そんな時に、直感やその場の出合いに身を任せて、時計を選ぶのもひと一つ運命的で素敵なものかもしれません。
今後もこの連載を通してリアルな時計のストーリーをお届けしていきたいと思います。
少しでも皆さんの時計選び、時計ライフのヒントになれば幸いです。
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【菊地紗瑛 (Sae Kikuchi)】
1995年生まれ。現在東京でPRコンサルタントとして働く。美容・ファッション・ラグジュアリーなどto Cからお堅めのto Bまで幅広くPRを担当するなか、高級時計に関連したクライアントを担当したことから、時計業界に興味をもつように。
海外経験から、グローバル企業のPRを担当する機会も多い。
趣味はサーフィンと週末のパーティ。座右の銘はwork hard play hard。
Instagram:@saemeroo
HP: https://lit.link/saekikuchi