数年前まで、時計について何も知らなかった私。「時計に何百万もかけるなんて信じられない…」そんなことも思っていました。しかし、高級時計に携わる仕事を通して(そして、Watch LIFE NEWS編集長菊地さんからの学びを経て笑)時計の奥深さや、それぞれの方が大切に、思いを込めて時計を所有していることを知りました。「トレンドに流されず、自分のスタイルを持ち、次世代へとつないでいくこと」はとても素敵なことです。
この連載企画では、そんな高級時計の世界に興味を持った20代の女性が、素敵な時計を身に着けているおしゃれな人々を紹介します。
本日は広告代理店勤務、西村雄太さんの時計を取り上げます。
西村雄太(Yuta Nishimura)
広告代理店勤務。学生時代から音楽・お笑い・ラジオなどエンタメ好きで、現在の仕事でもテレビなどメディアに関連した業務に携わる。音楽フェスに行くことも趣味のひとつ。フェスでの出会いから、日本ミュージックフェスティバル協会にも所属するなど、プライベートでもアクティブで社交的。旅行やゴルフ(ベストスコアは89とのこと!)も好き。最近はカレーと長風呂にハマっており、湯船に浸かりながらラジオを聴き、次行くカレーのお店を探しているとか。
さて、そんな西村さんが着けている時計は?
「OMEGAのシーマスター300です」
素敵な時計ですね。どんなきっかけで購入したのですか?
「昔から時計が好きで、学生の時からニクソンや、親戚からもらった壊れかけのパネライ(笑)なんかも着けていました。社会人になって『自分で買おう』と思った時に、もちろんロレックスも憧れてたし、オメガも欲しかったけど、1年目だし、生意気に見えないものがいいなと思って。冠婚葬祭も含めて色々なシーンでも使いやすいグランドセイコーのヘリテージコレクション、SBGX261を買ったんです」
グランドセイコーもハイクラスであるものの、たしかに“生意気感”は与えにくいかもしれないですね。時計が本当に好きなんだろうな、という印象を受けます。
「はい。なので、1本目としてはいい選択だったなと。そのうえで、もともとアメカジ系が好きなので、カジュアルでありながらフォーマルでも締まる1本が欲しいなと思っていて、ダイバーズが好きなので、オメガのシーマスター300、プラネットオーシャンもいいなあとか、ロレックスのエクワン(エクスプローラー Ⅰ )もかっこいいなあと迷ってました」
最終的に、なぜオメガ シーマスター300を選んだんですか?
「シーマスター300のクラシックなデザインが気に入ってます。エクワンもデザインがかっこよくて、かなり迷いましたけど、やっぱりロレックスって人気じゃないですか。エクワン自体もキムタクが着けていて話題にもなった時計だし、ある意味、買うにはまだ早いような気もしました。今の自分だと、なんとなくミーハー感が出ちゃったりするかなあ、というか。
もちろんオメガも人気ですけど、好きな時計を身に着けたい一方で、なるべく人と被りたくないな、という気持ちもあって、最終的には決めたかもしれません」
なるほど!実際に買ってみての感想は?
「めちゃめちゃ気に入っています! 自分はあんまり仕事用、プライベート用、と分けずに常に時計を着けていたいので、ガシガシ使える時計っていうのも選定基準でした。この時計は耐磁力も高いから、パソコンとかの近くに置きまくっても問題ないし、マスターコーアクシャルなので、オーバーホールが数年に1回でいいんです。ベゼルもセラミックなので傷も付きにくくて、ベルトとかは多少傷がついてもそれはそれでカッコいい感じがするデザインだし、本当に気に入ってますね」
西村さんは同世代ですけど、時計詳しいですよね。そもそも、なぜ時計に興味を持ったんですか?
「父も当時メディア関連の仕事をしていて、常に家に色々な雑誌があって読んでたんです。男性ファッション誌では、時計は毎号のように紹介されているし、自然に興味を持っていましたね。サファリとかもよく読んでいたので、ダイバーズとかも自然に知りました。あとは“男が唯一身に着けられるラグジュアリーが時計だから、そこで人間性が見えてくる”という言葉を聞いたことがあって、影響を受けているかもしれません」
たしかに私も時計に関連する仕事を始めてから、ついつい人の時計を見てしまいます。西村さんが次に狙ってる時計はありますか?
「色々ありますね! なんやかんや悩んだエクワンも欲しいですし。でも、ひとつ選ぶなら、パネライのルミノールマリーナですかね」
それはなぜ?
「結局、時計は基本的にはシンプルなものが好きなんですよね。でも、その中に存在感がある、みたいな。パネライは、ケースが大きくて、シンプルだけど存在感があるところに惹かれています」
西村さんの私服は”シンプル”というよりは派手なものも多い印象。なぜ時計はシンプルが好きなんですか?
「たしかに(笑)。でも、仕事とプライベート関係なく時計を着けていたいから自然とそういう選択になっているのかもしれません。あとは、派手な服を選ぶことがあるからこそ、時計は何にでも合うシンプルなデザインがいいのかも。その中に遊び心がある、みたいなデザインが好きですね。とはいえ、まずは新しい時計を買えるように仕事頑張ります!笑」
ありがとうございました!
今回の取材では、“”好きなものを身に着けること”と、“人からどう見られるか”というバランスについても発見がありました。
取材でも出てきたとおり、私も時計は“その人”を表すアイテムのひとつだと思います。だからこそ、「こういう風に見られたい」ということと同じくらい、「こういう風に見られたくない」という視点もありますよね。
“自分を高める時計を着けたい一方で、生意気に思われたくない”
“人気な時計や有名な時計を着けたい一方で、ミーハーにも思われたくない”
そんなことをあれこれ思うと、時計選びを難しく感じることもあるのではないでしょうか。今後もこの連載を通してリアルな時計のストーリーをお届けし、少しでも皆さんの時計選びのヒントになれば幸いです。
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【菊地紗瑛 (Sae Kikuchi)】
1995年生まれ。現在東京でPRコンサルタントとして働く。美容・ファッション・ラグジュアリーなどto Cからお堅めのto Bまで幅広くPRを担当するなか、高級時計に関連したクライアントを担当したことから、時計業界に興味をもつように。
海外経験から、グローバル企業のPRを担当する機会も多い。
趣味はサーフィンと週末のパーティ。座右の銘はwork hard play hard。
Instagram:@saemeroo
HP: https://lit.link/saekikuchi