自国の時間と時差のある海外の時間との二つのタイムゾーンをひとつの腕時計で同時に確認できるようにと1957年に開発されたのが、かの有名なロレックスのGMTマスター である。そのため24時間表示の回転ベゼルに加えて、通常の時分針とは別にGMT針(先端に三角マークがある)と呼ばれるもうひとつの副時針を装備している。
そして現在のGMTマスター II は出張などで海外に出向いたときに、着けている腕時計に渡航先の時間を簡単に設定できるという優れた機能を備えている。
その機能とはこうだ。一般的な時刻調整では、時針と分針が連動しているため両方の針を動かして設定する。GMTマスター II の場合は、それに加えて時針だけを操作できる機能を備えているため、例えば日本から時差マイナス8時間のパリに出張に行ったとしよう。現地に着いたら時針だけを操作し8時間分戻すだけでパリの時間に簡単にセットできてしまうというわけだ。
ちなみに、その際に分針とGMT針は影響せず動かないようになっているため、GMT針はそのまま24時間表示ベゼル上の日本時間を指し示している。
この機能(GMT機能よ呼ぶ)を装備した腕時計はGMTマスター II 以外にも他の時計ブランドから発売されている。しかしながら、これらはすべてスイス製のみだったために高額なものばかりだった。
それが昨年になってシチズン傘下の外販用ムーヴメントを製造するミヨタから、このGMTマスター II と同じ仕組みのGMT機能を持つキャリバー9075という日本製自動巻きの機械が誕生した。それに伴い今年になって海外の様々な時計メーカーからこの9075を採用したGMTウオッチが続々と登場しているのだ。
そこでここではこのCal.9075を搭載し、しかも10万円前後という手頃な価格を実現しつつ現在日本で買えるモデル、ブローバ、アウトライン、そしてツェッペリンの3機種を紹介する。
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