○ソリッドバックか、裏スケルトンか
スピマスプロを選ぶうえでもうひとつの気になる点は裏スケルトンであるか否かであるかと思います。キャリバー3861のムーヴメントはパーツ一つひとつに面取りが施されており、鑑賞しても楽しめるムーヴメントだと思います。ただ個人的には裏ブタにはシーホースが鎮座しているほうが、実用時計のスピードマスターらしいのではないかと感じています。美しくて耐久性のあるムーヴメントこそ、能ある鷹は爪を隠すかの如く、あえて見せなくてもいいのかもしれません。
〇立体的な文字盤と先端に曲げ加工が施されたクロノグラフ針、分針
スピマスプロで1番気に入っている点は立体的な文字盤です。三つ目のインダイアルは皿のように凹んだ形状となっており、立体的な形状が際立ちます。また、文字盤の表面は均一な梨地状に仕上げられています。その文字盤をヘサライト風防が覆うことにより、アンティークウオッチのような雰囲気を醸し出します。やはりじっと見ていたくなる箇所は文字盤です。
針はすべて白く、蓄光塗料も十分に盛られているため、昼夜問わず視認性が抜群です。クロノグラフ針、分針の先端に曲げ加工が施されている点も見逃せません。
○ヘアライン仕上げのブレスレット
スピマスプロのブレスレットは、側面は鏡面、正面はヘアライン仕上げとなっています。均一なヘアライン仕上げによって実用時計らしくある一方、鏡面仕上げで高級感も演出しています。またブレスレットのコマのピッチは狭く、着け心地が良いです。
〇遊びたくなる顔
スピマスプロのシンプルな顔はどんなベルトにも合います。スピマスプロを購入してからは様々なベルトを選ぶ楽しみが増えた気がします。フォースナーのメッシュベルトやNATOストラップ、台座付きストラップなど様々ベルトへ定期的に付け換えて楽しんでいます。
〇まとめ
現行のスピマスプロはケースや文字盤の質感が旧モデルに比べても格段に良くなっています。質感、スペックがいいのも大切ですが、白い針と白いインデックス、バランスの取れた配置の三つ目インダイアルといったスピマスプロのデザインが心から好きなのだと改めて思いました。
現在のオメガのコンプリートサービスの料金はスイスフラン高、原材料高騰の影響で仕方のないことだと思いますが、13万5300円に値上がりしてしまいました(コンプリートサービスには風防やプッシャーボタンなど、消耗品の交換費用も含まれているため、適正価格であると自分に言い聞かせています)。
ただ実際に着用してみて改めて思うのは、間違いなくスピマスプロは個人的に見て世界で1番カッコいいクロノグラフです!
文◎寺田理人(Watch LIFE NEWS営業担当)
profile/学生時代に時計の魅力にハマり、いまでは24時間、腕時計を着用する生活をおくる。特にツールウオッチやミリタリーウオッチ、ダイバーズウオッチなどガンガン使える腕時計が大好物。念願だった時計業界に身を置き、現在はWatch LIFE NEWSの営業を担当。
写真◎水橋崇行
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