関東地方はあいにくの雨で、外で思い切り体を動かすというわけにはいかなかったが、本日10月9日は“スポーツの日”。
もともとは、1964年に東京オリンピックの開会式が行われた10月10日を、国民の祝日である“体育の日(たいいくのひ)”として定められていたが、20年に現在の名称“スポーツの日”に改称されたことはご存じだろう。
そこで今回はこのスポーツの日にちなんだ時計を紹介したい。
世界的なスポーツの祭典オリンピック。その公式タイムキーパーとして、いまやおなじみとなっているのがスイスの時計メーカーであるオメガだ。
1932年のロサンゼルス大会以降、実に30回も公式タイムキーパーを務めているというから、オメガ以外にはどこのメーカーが務めていたのか知らない人も多いのではないだろうか。冬季大会も含めて過去に公式タイムキーパーの大役を務めたのはロンジンやスウォッチ、ユンハンス、そして日本の“セイコー”がある。
セイコーが初めて公式タイムキーパーを担当したのが、まさしく1964年の東京大会だった。この大会においてセイコーの高い技術力と信頼性が世界に認知され、国際的なブランドとして飛躍していったのだ。
さて、日本開催のうえ、日本の時計メーカーが公式タイムキーパーだったということもあって、実はいまも当時、競技で実際に使用された計測機器や関連資料などが残っている。ここからはそんな東京大会にまつわる時計コレクター秘蔵の珍品の数々を紹介したい。
01/ストップウオッチ
当時、スポーツ計時の経験がないセイコーだったが、画期的なストップウオッチなどの開発によって正式に公式計時に指名された。写真は89系と呼ばれる機械式ムーヴメントを搭載した競技用ストップウオッチ。1/10秒計測(左)や1/5秒計測、1/100秒計測(右)が可能なタイプまであった。
02/卓上型
卓上型としては、60分計測(写真)もしくは12分計測が可能なタイプのストップウオッチが製造された。いずれも市販されており当時の価格は9万4000円と非常に高額だった。なお、所有するコレクターによると、この個体は競技で実際に使用されたものだったと言う。
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