小スライド 連載記事 @kikuchiのいまどきの時計考

【通常のクォーツと何が違うのか?】5万円前後で買えてカッコいい、時計好きも注目するSEIKOメカクォーツ!

セイコーのメカクオーツ、VK64を搭載するアウトラインの最新作、2レジスタークロノ。4万円台という価格もクォーツならではの魅力だ(当サイトのオンラインSHOPで販売中

メカニカルクロノグラフ・クォーツムーヴメント、通称“メカクォーツ”と呼ばれるクォーツ式ムーヴメントを搭載した腕時計をご存じだろうか。日本でも5〜6年ぐらい前から時計好きの間で評判となり注目されるようになったが、正直なところ一般的にはいまだほとんど知られていないかもしれない。

メカクォーツとは端的に言うと、クロノグラフ機構にあたかも機械式(メカ)であるかのような動きを取り入れて、動力源は一般的なクォーツ式というものである。では、機械式の動きとは具体的にどんなものかというと以下の三つとなる。

1、 クロノグラフ計測秒針の動き
通常のクォーツ式クロノグラフの場合は、中央にあるクロノグラフの計測用秒針は1秒ごとに動くステップ運針となるのが一般的。それがメカクォーツの場合は機械式のように滑らかに動くスィープ運針する。

2、 計測針類のゼロリセット
クロノグラフ計測後にその計測針を12時位置にリセットをする場合、通常クォーツクロノは、4時位置のリセットボタンを押すとゆっくり自動回転して帰針する。対してメカクォーツは機械式クロノグラフのように、リセットボタンを押すと同時に「カチッ」と瞬時に針はゼロリセットされる。これは機械式クロノ機構と同じくリセットハンマー(写真参照)によって制御しているためである。

3、 スタート&ストップボタンのクリック感
クロノグラフ計測針を作動・停止させる2時位置のスタート・ストップボタン。機械式クロノでそれを押すと「カチッ」という音とともにクリック感が指に伝わる。これはメカクォーツにはあるが一般のクォーツクロノにはない。

クロノグラフの瞬時の帰零(ゼロリセット)のために、かつてセイコーの機械式クロノグラフにのみに搭載されていた“三叉ハンマー”がメカクオーツにも装備されている

こう並べても、おそらくは機械式クロノグラフウオッチを使ったことがない人からすると、どれも何のことやらピンとこないことばかりだと思う。冒頭に「一般的には知られていない」と書いたが、まさにこの点がその大きな要因のように感じる。

ただ、機械式クロノグラフウオッチはメカニカルな雰囲気が強くとても魅力的だが、とても高価なうえにデリケートな部分もあるため、毎日ガンガン着けるのも気が引ける。

その点メカクォーツ式であれば安価な価格であるばかりか、使い心地も機械式クロノグラフウッチの雰囲気を味わえる。しかも時計自体は機械式に比べてもかなり軽くなるため日常使いとして手軽に楽しむことができる。意外にメリットは少なくないのだ。

>>>次ページでは「メカクォーツがなぜ日本で注目されるようになったのか?」その理由について!

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